※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【カザフスタン・アスタナ、文=池田安佑美】リ オデジャネイロ・オリンピックのアジア予選第2日は3月19日、カザフスタン・アスタナで男女6階級が行われ、女子75kg級の渡利璃穏(アイシン・ エィ・ダブリュ)が出場枠を獲得した。これにより、日本女子は全6階級で出場権を得た。男子は各スタイル2階級で挑んだが、いずれも出場枠に手が届かなかった。
渡利は1回戦を勝ったあと、準決勝でアジア選手権2位のドンチメグ・バドラク(モンゴル)を5-2で破り、この時点で出場枠を手にした。決勝は2014年アジア大会2位のグゼル・マニュロバ(カザフスタン)と対戦し、2-1で勝利。75kg級の国際大会で初出場初優勝を果たした。
男子フリースタイル65kg級の前田翔吾(クリナップ)は、初戦に勝ったものの、2回戦で2014年アジア大会3位のカタイ・イェールランビエク(中国)に敗れて出場枠獲得ならなかった。同選手が決勝に進んだことで、敗者復活戦を経て3位決定戦へ。元ロシア選手で70kg級のアジアチャンピオンのアダム・バティロフの棄権で銅メダルになった。
同97kg級の山口剛(ブシロード)は、初戦で2012年ロンドン・オリンピック代表のマゴメド・ムサエフ(キルギス)に黒星。出場権獲得はならなかったが、敗者復活戦を不戦勝で勝ち上がり、3位決定戦でインド選手に勝って銅メダルを手にした。
男子グレコローマン75kg級の屋比久翔平(日体大)は、初戦でウズベキスタン選手にテクニカルフォールで敗れた。敗者復活戦なしで3位決定戦に進んだ が、敗れて5位。130kg級の園田新(拓大)は初戦のウズベキスタン戦でフォール負け。敗者復活もなく終わった。
各選手の成績は下記の通り。
◎男子フリースタイル
【65kg級】前田翔吾(クリナップ) 3位=14選手出場
3決戦 ○[不戦勝]Adam Batirov(バーレーン)
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敗復戦 ○[フォール、2:02=5-2]Sodiqkhoja Ismoilov(タジキスタン)
《試合経過》第1ピリオド、前田がタックルから場外に出して1点。45秒にタックルでテークダウンを奪われて2点を失ったが、前田はタックルからニアフォールに持ちこんで、そのままフォールした。
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2回戦 ●[Tフォール、3:00=0-10]Katai Yeerlanbieke(中国)
《試合経過》前田は第1ピリオドの1分すぎに高速タックルを受けて2失点。その後も立て続けにタックルを受け、場外ポイントやテークダウンも奪われ、第1ピリオド時間いっぱいでテクニカルフォール負けとなった。
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1回戦 ○[10-4]Elaman Dogdurbek Uulu(キルギス)
《試合経過》第 1ピリオド中盤にアクティブタイムを課せられた前田は、攻撃できずに1失点。第2ピリオドになると、前田はタックルで2点を奪うが、スイッチされてバック ポイントを奪われる。第2ピリオドの中盤になり、前田が豪快なタックルで4点。ニアフォールで2点。さらに返して2点を追加。終盤に1ポイント・コーショ ンを受けるが、10-4で勝利した。
【97kg級】山口剛(ブシロード) 3位=10選手出場
3決戦 ○[3-2]Satywart Kadian(インド)
《試合経過》第1ピリオド、山口が片足タックルに行ったところをカウンターでテークダウンを奪われて2失点。第2ピリオドの中盤までリードされたが、スタンドを常に優位に進めていた山口は、終盤にタックルで同点に追いつくと、さらに場外ポイントも加えて3-2と逆転に成功した。
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敗復戦 ○[不戦勝]Magomed Idrisovitch Ibragimov(ウズベキスタン)
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1回戦 ●[1-1L]Magomed Musaev(キルギス)
《試合経過》30秒のアクティブタイムを、第1ピリオドはキルギスが、第2ピリオドは山口が課せられ、ともに得点できずに相手に1点が入った。キルギスがラストポイントにより勝者となった。
◎男子グレコローマン
【75kg級】屋比久翔平(日体大) 5位=9選手出場
3決戦 ●[0-3]Atabek Azisebekov(キルギス)
《試合経過》第1ピリオド、グラウンドの攻防でディフェンスに回った屋比久は、相手の攻撃を凌ぐ。第2ピリオドは、グラウンドの攻防で攻撃側になった屋比久は、得意の持ち上げからのローリングをかけるが得点に至らず。4分すぎまで0-0の拮抗が続いたが、2度の消極的な攻撃を注意された屋比久は1失点。屋比久は終盤、スタンドで前に出て、最後はがぶり返しで勝負をかけたが乗られてしまった逆転はならなかった。
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1回戦 ●[Tフォール、2:31=0-9]Dilshodjon Turdiev(ウズベキスタン)
《試合経過》開 始早々、相手の飛びつくような胴タックルに対応できずにテークダウンを取られた屋比久。そのままフォールの体勢に持ちこまれて、約1分半、ブリッジでしの いだが、最後はローリングもかけられて0-6とリードされる。日本陣営は最初の胴タックルは脚を使ったのではないかとチャレンジを出したが覆らず。1点を追加さ れて0-7で再スタート。流れは変わらず、バックを許して0-9のテクニカルフォール負け。
【130kg級】園田新(拓大) 9位=9選手出場
1回戦 ●[フォール、2:15=0-6]Muminjon Abdullaev(ウズベキスタン)
《試合経過》第1ピリオド、タックルによるテークダウンからローリングの連続技で4失点。スタンドでも攻め切れずにアテンションを受ける。相手と胸が合った瞬間、クラッチを組まずにそり投げを出したところを乗られて自滅。そのままフォールされた。
◎女子
【75kg級】渡利璃穏(アイシン・エィ・ダブリュ) 優勝=7選手出場
決勝 ○[2-1]Guzel Manyurova(カザフスタン) 《試合経過》第1ピリオド中盤、渡利にアクティブタイムが課せられて1ポイントコーションを受ける。渡利は足を使って果敢にタックルを繰り出すが、頭一つ大きい体のマニュロバは、そのタックルをディフェンスしてがぶり、渡利の動きを封じようとする展開が続いた。第2ピリオドの後半、渡利の両足タックルからテークダウンを奪って2点。2-1と逆転で優勝を決めた。
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準決勝 ○[5-2]Odonchimeg Badrakh(モンゴル)
《試合経過》第 1ピリオドの開始早々、渡利は消極的だとみなされアテンションを取られる。その直後から間合いを詰め、片足タックルでテークダウンを奪って2点。さらに片 足タックルで場外へ追いやって1点追加。3-0とリードして折り返す。第2ピリオドの序盤、相手につかまえられ、力でねじ伏せられてバックポイントを許し たが、再びタックルで1点。最後は1ポイント・コーションをもらって5-2で勝利した。
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1回戦 ○[Tフォール、0:37=10-0]Park Chaerin(韓国)
《試合経過》第1ピリオドの開始早々、タックルからテークダウンを奪って2点。そのまま連続アンクルホールドで一気に勝負をつけた。