2016.01.07

アフリカの英雄、イブラヒム・カラム(エジプト)がドーピング違反で2年間の出場停止

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 世界レスリング連盟(UWW)は、2004年アテネ・オリンピックの男子グレコローマン96kgh級金メダリストのイブラヒム・カラム(エジプト)に、ドーピング違反によって2年間の出場停止処分を課したことを発表した。居場所情報提出を、それまでの9ヶ月間に4回怠ったためで、昨年8月26日から2年間。今年のリオデジャネイロ・オリンピックの出場はなくなった。

 カラムはアフリカ選手権での優勝などを経て、2002・03年の世界選手権で2位に入賞。アテネ・オリンピックでは、エジプトの選手としては76年ぶりにオリンピックを制する快挙を成し遂げた。アフリカのレスリング史上に残る選手。

 その後、日本で総合格闘技に挑むなどもしたが、2008年北京オリンピック、2012年ロンドン・オリンピックにも出場。ロンドンでは84kg級で2位となり、リオデジャネイロ・オリンピックで4大会連続出場を目指していた。

 ドーピング検査による居場所情報提出義務とは、大会以外でのドーピング検査を目的に、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)などが指定した選手に課せられる。指定された選手は、居住地や練習場所、出場する大会を報告する義務を負い、この時間に検査官が訪問し、居場所情報が正確でなかったり、検査できなかったりした場合は違反とみなされる。18ヶ月間に3度違反すると処分の対象となる。