※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、布施鋼治、目黒広菜、渡辺新平、撮影=矢吹建夫)
■男子フリースタイル70kg級・多胡島伸佳(早大=決勝は不戦勝だが、学生で全日本選手権初優勝)「決勝をやっていないということで不完全燃焼であることは事実。優勝したことを自信にして次にどうやってつなげていけるか考えている。1回戦の入りはよくなかったが修正できた点はよかった。インカレ(全日本学生選手権)を落とした時点でシニアで成績を残そうと考えていたので、それを達成できてよかった。来年は学生最後の年ということを意識してやっていきたい。安心した試合運びをできるように突き詰めてやっていかなければならないと思っている」
■男子フリースタイル97kg級・山口剛(ブシロード=世界選手権代表の意地でロンドン・オリンピック代表を撃破)「世界選手権から約3ヶ月、自分なりに試行錯誤して今大会に臨んだ。磯川選手と初戦から対戦するということで、世界選手権の反省を生かす良い機会だと思った。全体として、決勝でも得点してから守りに入ってしまったので、テクニカルフォールで勝てるようにしっかりと改善していきたい。世界選手権では悔しい思いをしたので、次こそはアジアの枠を取って自分がオリンピックに行きたい」
新旧交代を実現した山本泰輝(拓大)
■男子グレコローマン71㎏級・永田克彦(レッスルウイン=11年ぶりの出場。42歳で優勝し、男子の最年長優勝記録を更新)「もう一回全日本タイトルを獲れるとは思っていなかったのでうれしい。会場に見に来てくれたレッスルウインの子供たちにレスリングを教えていく中で、いい実戦をみせられたかなと思います。昔、全日本選手権に出る時には自分が優勝するものという覚悟を持って挑んでいた。生半可な気持ちで出るのはどうかと思ったけど、いま自分が置かれている立場の中でやれるだけのことをして、もう一回チャレンジしてみるのもいいかな、と思いました。来年? 世界選手権やオリンピックは抜きにして、こういった国内の大会で体が続く限り、試合をやるというのもいいかなと思っています」
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■永田裕志(新日本プロレス=弟・克彦の42歳での復活優勝に)「レスリングからちょうど10年くらい離れている中で優勝したというのはすごい。何よりもグレコローマンの差し手が以前と比べても落ちていなかった。ずっとレスリングを続けて復帰したならばともかく、総合格闘技をやったりして離れていたのに、スタミナも落ちていなかったですからね。脱帽しました。この快挙をレッスルウインの子供や(弟が教える)日本ウェルネススポーツ大学レスリング部部員が何かを感じてくれたらうれしい。私にはとてもできないことですからね」
沖縄出身選手として、父に次いで2人目の全日本王者となった屋比久翔平(日体大)
■男子グレコローマン85kg級・岡太一(自衛隊=同門対決を制して全日本2連覇)「ここで終わりではないので、しっかりとオリンピックの切符を取ってきたい。(決勝戦で当たった角選手は)お互いに手の内を知っているから苦戦した。もう一度しっかり反復して、そうした相手にも技をかけられるようにしていきたい。基礎からやり直してきたが、1試合目はあまりいい動きができなかった。2試合目以降はよかった。ポイントを自分から取りにいくレスリングを磨いていきたいと思う」
オリンピアンの実力を見せつけた斎川哲克(栃木・足利工高教)
■女子58kg級・伊調馨(ALSOK=圧倒的な力を見せつけ3年連続12度目の優勝)「体調がよくなかったので心配はあった。試合は思っていた通りにできたところと、できなかったところがあった。(決勝は相手に先に入られて)自分も狙っていたので、先に入られたことは悔しい。そこも反省点。(自己採点は)国内の大会というものあるし、相手もあるし、自分の試合内容もある。あまり高得点はあげられないと思う。課題は分かっているので、あと8ヵ月、一日一日を大事にして、オリンピックでいいレスリングを見せたい」
■女子69kg級・土性沙羅(至学館大=リオデジャネイロ・オリンピックに内定するとともに5連覇達成)「オリンピックが正式に決まり、優勝もできてうれしい。無駄なポイントをやらないという目標は達成できたと思う。世界選手権では金メダルを取れなかった。金メダルしか頭にないので、オリンピックでは絶対に取るという気持ちで頑張っていきたい。(対戦相手の)ビデオなどを見て研究して、(今後は)失点を減らし、最後まで攻め続けられる体力や、力の強い外国人選手に負けないようなパワーをつけていきたいと思う。ちょっとひざを痛めているので、少し休んでしっかりと治したい」