※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、布施鋼治、目黒広菜、渡辺新平、撮影=矢吹建夫)
小幡邦彦コーチと喜ぶ乙黒圭祐(山梨学院大)
■男子フリースタイル65kg級・前田翔吾(クリナップ=けがや階級変更の苦難乗り越えて復活優勝)「ここに戻ってこられないことも想像した。周りの人たちが応援してくれたおかげで戻ってこられた。挑戦者の気持ちだったので最後まで諦めずに闘うことができた。4年前は目の前でオリンピックを逃したので、ここからが大変ということは分かっている。厳しくなるとは思うが、必ず勝ち抜いてオリンピックで金メダルを取れるよう頑張る。同じ轍(てつ)は二度踏まない。金メダルしか狙っていない。(課題は)最初から攻めていく体力。弱い自分に勝てるように頑張ります」
31歳で全日本を制した松本真也(警視庁)
■男子グレコローマン66㎏級・井上智裕(三恵海運=2年連続優勝)「やっとオリンピックに向けてのスタートラインに立てたかな、と思います。決勝の相手の髙橋昭五選手は大学(日体大)の後輩でもあり、僕が教師時代の教え子でもあるんです。まさかこんなに早く試合をすることになるとは思わなかった。気持ちとしては、油断はできないな、と思いました。(世界選手権代表の泉武志が初戦で消えて)全日本選抜選手権のプレーオフで負けてしまったので、今回は決勝の舞台で泉選手に勝ちたかった、という思いはあった。やっぱり途中でケガをして消えてしまうのは、その選手の実力だと思うので、それは仕方ないなと思いました。それで気持ちが落ちることはなかったですね」
男子グレコローマン80kg級を制した前田祐也(拓大)
■男子グレコローマン130kg級・園田新(拓大=第一人者として優勝は当然だが)「恥ずかしい試合をしてしまって本当に申し訳ないと思っています。先にポイントを取られたことですごく焦ってしまい、何をやっているのだろう、という感じでした。前半は負けている試合でしたね。西口先生(茂樹=部長)に言葉をもらって、やっと落ち着けました。(オリンピック予選の出場権は)取って当たり前で、これから倍以上の力をつけないとオリンピックには出られないと思います。出場するという気持ちを強くもって練習し、成長していきたいです。絶対に強くなっていると思っているので、自信を持って練習をやっていきます」
全日本選手権初優勝の入江ゆき(自衛隊)
■女子フリースタイル60kg級・川井梨紗子(至学館大=妹を破ってオリンピック内定を決める優勝)「オリンピックが決まったということでホッとしているし、初めて全日本選手権で優勝できたのでうれしいです。試合前から友香子(妹)と決勝でできたらいいという話をしていた。準決勝で頑張って決勝に上がってきてくれたのが一番うれしいです。ただ、勝負の世界なので、1点もあげられないと思っていました。オリンピックでは、びびらず、絶対に優勝したいなという思いが強くなりました。世界選手権の決勝はすごく情けない負け方をしてしまった。体力だったり、力だったり、体格だったり、63kg級では足りていないところが多いので、もう一度見直して体づくりからやっていきたいと思います」
■女子フリースタイル63kg級・伊藤彩香(東新住建=3年ぶりの優勝)「久しぶりの優勝だったのでホッとしています。(11月の米国の大会で優勝したが)日本では勝てていないという思いがあったので、12月は絶対に優勝しようと思っていました。今回の大会では去年に比べて強い選手が出ていなかったり、他の階級にいっていたりしたので、来年はそういう選手にも勝てるように練習を重ねていきたいです。リオデジャネイロ・オリンピックには行けませんが、目の前の大会を一つひとつ勝って、2020年を目指して頑張ろうと思います」