※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
バクーへ向けて出発した男子フリースタイル・チーム
全日本選手権が近いこともあり、出場資格を持っている選手の多くが辞退し、本来の出場資格者で参加するのは男子フリースタイル74kg級の嶋田大育(青森市協会)のみ。代わって学生チャンピオンが中心というメンバーとなった。
鈴木豊監督(自衛隊)は「若い選手が集まっている。今持っている力をすべて出して闘ってほしい。この大会で好成績を残し、世界でメダルを取った選手もいるので、いいステップアップにしてほしい」と、将来を見据えた貴重な経験の場と定義づける。外国はトップ選手が出てくる可能性があり、かなり高いレベルの大会となることも想定されるが、「その中でどう闘うか。成果を残してきたい」と期待した。
松永共広コーチ(日本協会専任コーチ)は「自分がやって来たことを出し切り、今後につながる試合をしてもらいたい。全日本選手権もあるので、けがには気をつけてほしいが、全力で闘ってほしい」とリクエスト。
学生選手は今月14~15日に全日本大学選手権をこなし、この遠征からの帰国3週間後に全日本選手権と大会出場が続く。疲労の蓄積も懸念されるが、「こうした機会はなかなかないので、いい経験ととらえてほしい」と話した。
主将に指名された今年のアジア選手権74kg級2位(昨年のアジア大会5位)の嶋田は「12月に全日本選手権があるが、それとは別に、ここで結果を出したい。レスリングだけではなく、いろんなことを吸収してきたい」と気合十分。
現在は青森で高校生相手の練習が中心なので、世界の強豪を相手に実力を試す機会は貴重な経験。「アジア大会よりレベルが高いと思うが、やることは一緒。常に勝ちを求めてどん欲にやりたい。最後まであきらめずに闘えば、勝ち負けがどうこうではなく、得られるものが多いと思う。とにかく全力でやる」と話した。
主将としては。「オンとオフをしっかりつくり、リラックスと緊張をうまく分けたい。チームの中心の役目をしっかりこなせるよう頑張っていきたい」と言う。
西日本の現役学生選手として唯一出場の有元伸悟(近大)は、昨年の大会にも出場している。その時は1回戦負け。「相手にならないほどボコボコにされた。その選手が次の試合でテクニカルフォールで負け、すごいレベルの大会です」と気を引き締める。「今年は少し(優勝争いに)からめるようにしたい。国内で出せている動きをできるようにし、それがどのくらい通用するか見てみたい」と言う。
12月4日(土)~5日(日)には西日本学生秋季リーグ戦があり、東日本の学生よりハードなスケジュールとなるが、「このチャンスを生かしたい。国内で練習するより得られるものがあると思って(遠征の打診を)受けた。いろんな経験をした方が全日本選手権へ向けていいと思う。場数を踏みたい」と話し、ここでの経験をもとに近大初の全日本王者へとつなげる腹積もりだ。
遠征メンバーは下記の通り。男子フリースタイルは27日に行われる。
◎男子フリースタイル
【監督】鈴木豊(自衛隊)、【コーチ】松永共広(日本協会)
【選手】
▼57kg級 大城一晟(国士舘大)
▼61kg級 有元伸悟(近大)
▼65kg級 原田 駿(専大)
▼70kg級 多胡島伸佳(早大)
▼74kg級 嶋田大育(青森市協会)
▼86kg級 松坂誠應(日体大)
▼97kg級 福井裕士(自衛隊)