※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
メダル獲得選手。左から角雅人、矢後佑華、伊藤彩香、高橋海寿々(早大)
矢後は「優勝できてよかったです」と第一声を発したが、決勝の元世界チャンピオンとの闘いが相手の棄権で実現せず、「闘いたかったです」と、ちょっぴり残念そう。
負傷による戦線離脱があり、国際大会の優勝は2013年11月のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)以来。日本選手相手とは闘い方が違い、「相手に合わせてしまい、自分の動きが出し切れないところがありました。日本選手と違い、最初にがっちり組まれてしまって…」という戸惑いがあった。パワーで動きを封じられて先制されることが多く、「ちょっと勝手が違いました、取られても冷静に進めて取り返すことができたのはよかったのですが、相手に合わせてしまったことは反省です」と言う。
今夏の全日本学生選手権で優勝し、ブランクを乗り越えた。そして今回の国際大会の優勝。「自信になりました」という勢いで、12月の全日本選手権を目指す。登坂絵莉(至学館大)がリオデジャネイロ・オリンピックの代表権をほぼ手中におさめており、リオにはつながらない大会だが、「全日本選手権優勝というのは大きな目標です」と、モチベーションは下がっていない。登坂の違いは「まず、気持ちの強さだと思います」という。「全力を尽くして挑みます」と、
2011年のアジア・ジュニア選手権(インドネシア)以来、4年5ヶ月ぶりの国際大会優勝という伊藤も「久しぶりに国際大会で優勝できてよかったです」と話す一方、「ずば抜けて高いレベルではないのに、カナダ戦で苦戦したことに満足していない、コーションの取り合いによる1-1だけ。攻撃できなかった。全日本選手権に向けてやることが見つかった」と反省の言葉も、
来年は世界選手権がないので、60kg級で闘う伊藤にとっては、モチベーションの持って行き方が難しいところ。しかし「出る大会はすべて優勝、という気持ちは変わりない。全日本選手権では優勝を目指します」ときっぱり。「目の前の闘いの積み重ねが東京(オリンピック)へつながる?」とう問いに明確な答えはなかったが、「出る試合には全力を尽くします」と話した。
■男子グレコローマン85kg級銀メダル・角雅人(自衛隊)「正直言って悔しさいっぱいです。2位という結果に。優勝するつもりで臨みましたから。自分でポイントを取れず、グラウンドで返ってしまったことが敗因です。もう少し実力があれば乗り越えられる壁だと思います。ただ、最近やっている練習が間違いではないことを感じました。このあとゴールデン・グランプリ決勝大会にも出させてもらいます。全日本選手権が近いのですが、経験が足りないので、実戦を積むことで、それを補うためです。全日本選手権の目標は優勝です。優勝しかありません」
■女子63kg級銀メダル・高橋海寿々(早大)「準決勝までの外国選手相手には、ポイントを取られることはあっても差をつけて勝つことができたので、やってきたことが通じるようになってきたことを実感しました。決勝の(伊藤)彩香さんとは、初めての試合です。とても勉強になりました。強い人ですけど、(本来の)階級は下の選手ですから、勝ちたかってです。でも、大学での年内の試合がすべて終わり、全日本選手権に向けていいステップになったと思います。自分から攻めることを練習し、練習でできることを試合で使えるように頑張りたいです」