※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【男子グレコローマン66kg級】
フランク・スタイブラー(ドイツ=Frank Staebler)
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(撮影=矢吹建夫)
1989年6月27日生まれ、26歳。5歳の時からレスリングを始める。ドイツのレスリングが下降線だったこともあり、カデット、ジュニア、さらにシニアになってからも特筆すべき成績はなかったが、2011年世界選手権66kg級で5位に入り、オリンピック出場権を獲得。翌年のロンドン・オリンピックでも5位に入賞した。
2013年はドイツGPなどで優勝を重ねた後、世界選手権で銅メダルを獲得。2014年は欧州選手権3位、世界選手権5位など世界のトップレベルの地位を確立。
2015年欧州大会は71kg級に出場して3位。世界選手権の前哨戦とも言われている7月の「ピトラシンスキ国際大会」(ポーランド)で優勝した後、世界選手権では初優勝を遂げた。ドイツの男子としては1994年以来、21年ぶりの世界王者。
■フランク・スタイブラーの2015年世界選手権成績 決 勝 ○[4-1]Ryu Han-Soo(柳漢壽=韓国) 準決勝 ○[5-1]Davor Stefanek(セルビア) 4回戦 ○[5-0]Bryce Saddoris(米国) 3回戦 ○[5-0]Wuileixis Rivas Espinoza(ベネズエラ) 2回戦 ○[フォール、3:40=8-0]Tarek Aziz Benaissa(アルジェリア) 1回戦 BYE |
【世界選手権1~5位選手】(オリンピック出場枠獲得選手)
[1]Frank Staebler(ドイツ)
[2]Ryu Han-Soo(柳漢壽=韓国)
[3]Davor Stefanek(セルビア)
〃 Artem Surkov(ロシア)
[5]Tarek Aziz Benaissa(アルジェリア)
〃 Migran Arutyunyan(アルメニア)
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《2016年3月・アジア予選展望》 ※国際主要大会成績(青が出場枠獲得国)
2013年66kg級世界王者の韓国のみがオリンピック出場枠を獲得。残る選手の中で飛びぬけているのが、2012年ロンドン・オリンピック60kg級優勝で2014年世界選手権2位のオミド・ノルージ(イラン)。今年は国内事情で参加しなかったが、10月の世界軍隊選手権で3位に入るなど、実力は十分。
イラン以外は混戦で本命なき状態と言える。アジア大会3位のリ・ハクウォン(北朝鮮)、2014年アジア選手権優勝のルスラン・チャレフ(キルギス)、2012年アジア選手権優勝で2015年同3位のパン・チェン(中国)らアジアの大会での上位選手が残っているが、安定性に欠けているのも事実だ。