※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
世界グラップリング選手権に出場したイラン選手=提供・UWW
イランは8月に同国で行われたアジア・ベルトレスリング選手権に女子選手を出場させており、それに続くレスリングへの女子進出となった。
イラン選手は同国の伝統的な着衣(ヒジャーブ)を着て出場。選手、役員はイランの宗教と文化を尊重し、受け入れたという。UWWは「着衣問題は、他のイスラム圏の女子進出に向けて、大きな前進である」としている。
UWWのネナド・ラロビッチ会長(セルビア)は「レスリングのすべてのスタイル…オリンピック・レスリング、グラップリング、ベルトレスリング、ビーチレスリングは、同じ方向を向こうとしている。イラン・レスリング協会は女子の参加促進に最大限の努力をしている。私たちはその努力を認識しており、称賛している」とコメントした。
国際オリンピック委員会(IOC)は、すべての競技で男女同一選手数を目指しているが、現段階では同一種目までは求めていない。ラロビッチ会長は9月の世界選手権(米国・ラスベガス)の期間中の会見で、男子のグレコローマンに対し、「女子はビーチレスリング採用も考えている」旨の発言をしており、ベルトレスリングやグラップリングも、オリンピック実施の候補として浮上する可能性が出て来たと言えよう。
グラップリングは「関節技のあるレスリング」で、胴衣を着用して行う「Gi」と、胴衣なしの「No-Gi」がある。