※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=樋口郁夫、撮影=保高幸子) 優勝を決め、大きくVポーズの雨宮隆二(山梨学院大)
雨宮は「2年生のJOC杯以来のタイトル。久しぶりだし、この大会は2位、2位と続いていたので、うれしいです」と第一声。準決勝、決勝ともに“リベンジ戦”だった。それが硬さにつながり、「きつかった」そうだ。
ただ、組み合せを見て魚住が決勝に上がってくるのは間違いないと思い、「リベンジするぞ」と気持ちは高揚していたという。1ポイントをめぐる厳しい攻防となったが、「最後まで攻めるという気持ちを持ち続けられたことが勝因だったと思います」と振り返った。
山梨学院大はフリースタイル主体のチームだが、全日本合宿で学んだ技術を持ち帰り、ふだんの練習で反復して実力をアップさせた。3年生になってから66kg級へ上げ、「やっぱりパワーの差はありました」と言う。2年近くが経ち、この階級に合ったパワーができたことも大学王者へつながった一因だろう。
せっかく慣れてきた階級だが、卒業後はALSOKにレスリング選手ではなく、一般社員として進むことが決まっており、本格的なレスリング活動は今年が最後。「よく『もったいない』と言われるんですけど…。レスリングは卒業までと決めていました。全日本選手権が引退試合です。燃えたいです」と話した。