※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
昨年、4階級を制して優勝した拓大
大学対抗得点では、2連覇を目指す拓大に、昨年10点以上の差をつけられて2位だった日体大が挑む。今年8月の全日本学生選手権は日体大が4階級を制し、拓大は1階級のみの優勝。しかし、拓大は世界選手権出場を控えていた2選手が出場していなかったので、その数字が実力差ではない。
今大会、日体大は130kg級が不在で、7階級での闘いを余儀なくされている。拓大が地力を発揮するか、日体大はハンディをはねのけて2年ぶりの栄冠を勝ちとることができるか。大学対抗得点と各階級の見どころをさぐった。
(エントリーに基づいた予想であり、負傷等による欠場・実力ダウンは勘案しておりません)
《大学別エントリー選手》=順不同
明大 / 法大 / 福岡大 / 日本文理大 / 日大 / 日体大 / 日本ウエルネススポーツ大 /
徳山大 / 同志社大 / 桃山学院大 / 東洋大 / 東農大 /東海大 / 中京学院大 /
中大 / 拓大 / 大東大 / 早大 / 専大 /青山学院大 / 神奈川大 / 山梨学院大 /
国士舘大 / 国際武道大 / 九州共立大 / 関大 / 羽衣国際大学
《大会日程》=大会要項
10月14日(水) 66・75・85・130kg級 (開会式10時、試合開始10時半)
15日(木) 59・71・80・98kg級 (試合開始10時)
【大学対抗得点】
8階級で行われた1997~2001・14年の優勝チームの得点は、1997年=日体大(76点)、98年=日体大(80点)、99年=日体大(80点)、2000年=拓大(67点)、2001年=拓大(70点)、14年=拓大(66点)。最初の3年間は日体大の「1強時代」。昨年を含め「2強の争い」という状況下では、65~70点が優勝を濃厚とするラインだろう。
拓大は66kg級で昨年優勝の堀後雄太、71kg級で和歌山国体優勝の湯田敬太、80kg級で世界選手権代表の前田祐也、85kg級で昨年優勝の岡嶋勇也、130kg級で世界選手権代表の園田新の5階級で優勝の可能性を持つ。
全員が優勝すれば、この5選手で60点となる。1、2階級で優勝を逃しても3位以内にとどまり、残る3階級で5位以内に入れば65点は可能な得点。 80kg級世界選手権代表に挑む屋比久翔平(青)。日体大優勝のキーパーソンとなるか?
75、85kg級でも3位以内に入ることで、130kg級の得点が0点のハンディにもかかわらず70点以上に達する。1階級少ないだけに、最低でも4階級を制覇し、残る階級も3位以内が優勝のための条件となるだろう。
2チームを追うのは専大、山梨学院大、国士舘大か。専大は71kg級の近藤雅貴と85kg級の与那覇竜太、山梨学院大は66kg級の雨宮隆二と71kg級の藤波勇飛、国士舘大は80kg級の奥井眞生と98kg級の志喜屋正明が、それぞれ優勝の可能性を持つ。
他にも上位進出の可能性を持つ選手がおり、拓大と日体大の足元をすくう選手が出てくるか。
【59kg級】
日体大が、昨年の学生二冠王者の太田忍と今年の学生王者の文田健一郎の2選手をエントリーしている。どちらが出てきても優勝候補の筆頭。太田は全日本学生選手権と国体は66kg級に出場してパワーアップをはかり、文田は国体でも優勝して乗っている。どちらが出てくるか。太田が出場して勝てば、2013年の60kg級から3連覇となる。
全日本学生選手権3位の北村侑磨(専大)、昨年2位の井上征洋(拓大)、昨年3位の小栁和也(山梨学院大)と有延大輝(国士舘大)らが日体大選手の優勝を阻止できるか。
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【66kg級】
全日本学生選手権1~3位の4選手のうち3選手が日体大の選手。優勝の下山田培、3位の川瀬克祥のどちらが出ても優勝に最も近い位置にいる(2位は59kg級エントリーの太田忍)。昨年優勝の堀後雄太(拓大)は、同選手権は川瀬に惜敗して3位入賞を逃している。雪辱して2連覇なるか。
昨年2位の雨宮隆二(山梨学院大)、今年の全日本学生選手権3位の魚住省吾(専大)、国体3位の影山大洋(九州共立大)が優勝争いに加われるか。
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【71kg級】
全日本学生選手権の決勝を争った澤田夢有人(日体大)と近藤雅貴(専大)が再度優勝を争うか。
全日本学生選手権は負傷で不出場だった湯田敬太(拓大)が国体で復帰し、見事に優勝して復調をアピール。フリースタイル中心の選手だが、藤波勇飛(山梨学院大)は、東日本学生春季新人戦の決勝で澤田を破って優勝している。
湯田、藤波を含めた4者の争いか。フリースタイルでコンスタントに上位入賞を果たし、国体で優勝した多胡島伸佳(早大)がエントリーしている。このスタイルでも優勝争いに加われるか。
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【75kg級】
全日本学生選手権優勝の阪部創(神奈川大)が2013年の74kg級を含めて3連覇、さらに2年連続の学生二冠王者を狙う。国体でつまずいてしまったが、ここでしっかり勝って再起のスタートとしたいところ。
同2位の宇野寿倫(日体大)、同3位の武田光司(専大)、昨年2位の永井凌太(拓大)が、どう挑むか。
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【80kg級】
世界選手権代表の前田祐也(拓大)が2連覇を目指す。前田の不出場だった全日本学生選手権で優勝した屋比久翔平(日体大)のほか、昨年の全日本学生選手権で優勝した奥井眞生(国士舘大)もこの階級にエントリーした。
三者の争いとなるか。屋比久は国体75kg級を制して地力をつけている。奥井は昨年の全日本学生選手権準決勝で前田を破っての優勝だった。日本代表の前田といえども、楽には勝たせてもらえまい。
全日本学生選手権3位の東桂祐(神奈川大)がどこまで食い込めるか。昨年の西日本学生選手権優勝で全日本選手権3位の榎本凌太(同志社大)が、西日本大学選手の意地を見せられるか。
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【85kg級】
昨年優勝の岡嶋勇也(拓大)が2連覇、および学生二冠王を目指す。JOC杯84kg級優勝で全日本学生選手権2位の塩川貫太(日体大)がそれを阻止するか。
全日本学生選手権3位の村山貴裕(大東大)、昨年の学生王者の与那覇竜太(専大)が優勝争いに加わることができるか。
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【98kg級】
全日本学生選手権優勝の志喜屋正明(国士舘大)が、2連覇と今年の学生二冠王を目指す。同2位の奈良勇太(日体大)が、昨年の全日本学生選手権以来の学生タイトルを手にするか。
フリースタイルの選手だが、昨年の国体で3位に入った吉川裕介(山梨学院大)、高校時代に全国高校生グレコローマン選手権で優勝したこともある園田平(拓大)の2選手が上位へ食い込めるか。
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【130kg級】
世界選手権出場にそなえて全日本学生選手権を欠場した園田新(拓大)が2連覇を目指す。園田のいない全日本学生選手権で優勝した津田大健(中京学院大)が、園田を破っての学生の王者に輝くか。
昨年の全日本学生選手権3位の近藤千加良(国士舘大)、JOC杯ジュニア120kg級優勝の貝塚賢史(山梨学院大)が優勝争いに加われるか。