※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長「メダルが期待されていた田野倉翔太(クリナップ)については、こちらも少し余裕で行けるかなと思っていた。マットに上がったら、いつもの彼じゃなくなっていたのが正直なところ。ベスト8で(強敵である)ウズベキスタンと当たるだろうとばかり考えていた。(そこまで行けなかったことが)これが現状だと思う。
立て直さないと、日本のグレコローマンが終わってしまう。今回のメンバーだけで反省するのではなくて、自衛隊、日体大など都内の大学生を集めて対策を練って、勝っている選手は何が違うのか、なぜ今回、日本のグレコローマンは負けたのかを、映像を見せて分析したい。
僕の仕事はリオオリンピック(への強化)。今回結果が悪くても、全階級をリオデジャネイロに連れて行けるようにあがきたい。これが仕事。今回は惨敗でした。世界最弱といわれても仕方がない」
■和田貴広・男子フリースタイル強化委員長「枠とりが一番の目標だったのに、獲得ゼロで非常に残念です。一番感じたのは、世界上位がやっているレスリングと我々がやってきたレスリングがマッチしていなかった。日本人は得意の展開を作ってチャンスを待つ闘い方。攻撃しても続かず単発で終わる。勝負の執念が欠けていたと思った。これが敗因だと思う。
コーチ陣も、やれることはやってきたと思っていた。けれども、この大会を見て、修正しないといけない部分が出てきた。どういう展開になってもファイトしなければならないのに、日本人選手は、闘っていなかった。不得意なところで簡単に失点したり、得点のチャンスがありながら得点にいけなかった。精度の低さは今後どうにかしないといけない。
(オリンピック出場枠が期待されていた2階級について)57kg級の高橋侑希については、他の選手と同じ敗因だった。終始モンゴルの選手に試合を支配されていて、自分の形にもっていけなかった。自分の形にならなくても、取りに行かなかったことがダメだった。
74kg級の高谷惣亮については、片足タックルがあるけど、それだけでは勝てない。思い切って両足タックルで攻めたところで投げ技くらったりもした。全日本レベルでは技がかかっても、国際大会では通用しないと思ってこれから練習していかなければならない。コーチ陣も、全日本で技がかかっていることで満足していた。
今後は、強化方針をしっかりと立て直して強化しないといけない。(オリンピック予選の)日本の代表が決まった後、海外に行ってもまれるか、高地に行って息あげをしっかり行いたい。協会と話し合って、スケジュールを綿密に立てていきたい」