※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
米国へ向かった米満達弘さん(自衛隊、右から2人目)=撮影・武田明子
米満さんは今年1月に現役引退を表明。コーチ学の勉強で米国行きを希望していた。春の出発を目指して準備していたが、ビザなどの関係で伸び伸びとなり、やっと実現した。そのため「不安より、やっと行ける、という気持ちの方が強いです」とのこと。
留学先のペンシルベニア州立大は、1924年パリ・オリンピックにレスリング競技では日本人として初めて出場した内藤克俊氏の在籍した大学。同大学に在学していた阿部三四郎さんが1996年の全米学生選手権で優勝している。
高田裕司・日本協会専務維持や佐藤満・専大コーチもコーチ留学しており、今回も2人と同様、日体大OBの大石八郎さんが面倒を見てくれる。
米満さんは「今まで海外遠征に行っても、試合をすることがほとんど。長期にわたって現地のチームの練習に参加することはなかった。まず、どんな練習をしているかを知りたい。いいところがあれば学んできたい」と話した。
留学に備えて英会話の学校にも通っていたが、まだ流ちょうに話せるにはいたっていない。「(指導でも)言葉が分かることが大事」と、英会話の完全マスターにも挑むようだ。
空港には、自衛隊レスリング班から佐々木昌常、井上謙二、鈴木豊、和久井始の各コーチのほか、トレーナーの太田暁央さん一家、同じロンドン・オリンピックで金メダルを取った小原日登美さんが夫の康司さんと10ヶ月になる長男とともに駆けつけた。ほかに、体育学校の佐野伸寿・前広報担当が現在の赴任先の仙台から姿を見せ、同期入隊でロンドン大会のボクシング銀メダルの清水聡選手も見送った、
米満さんは「いろいろな事を吸収して成長したい。帰ってきたら学んだ事を生かして恩返しをしたい。」とあいさつし、米国へ向かった。