※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ボスニア・ヘルツェゴビナから帰国した女子チーム
吉村祥子監督(エステティックTBC)は「個々の選手が目標を達成してこそ手にできる団体(国別対抗得点)優勝が一つの目標だった。それを達成できたことはよかった。主将(進藤芽伊)、副主将(須崎優衣)を中心にチームがまとまって、目標を高く持ったチームでした」と、全員の踏ん張りを評価した。
金メダルを取った選手のうち、38kg級の清水美海と46kg級の須崎優衣は「相手との差をつけての金メダルだった」と高く評価。銅メダルに終わったものの、今年の世界ジュニア・チャンピオンに惜敗だった52kg級の南條早映は、勝ってもおかしく内容だったそうで、「力を出し切ってくれた」と振り返った。
一方、優勝はしたが、43kg級の田南部夢叶は準決勝をぎりぎりのところで勝った内容であり、銀メダルの3選手(49kg級・五十嵐彩季、56kg級・成國琴音、70kg級・進藤芽伊)と、もう一人の銅メダリストの65kg級の田中志歩は、いずれも相手との差が感じられた内容。「気持ちだけでは乗り越えられない差」として、さらなる技術向上を望んだ。 解団式
女子のコーチとして初参加の柴田寛コーチ(周南市役所)は「選手が万全の状態で試合に臨めることを心がけた。先発隊(グレコローマン・チーム)がしっかりやっていてくれて、助かった。金メダルの数は減らしてしまったけど、メダルの数は同じで団体優勝もできたのでよかった。選手はよく頑張ってくれた」と選手をねぎらった。
男子ジュニアの遠征に帯同したことはあるが、女子は初めて。「ちょっと戸惑ったこともあった」というが、山口県で女子選手を育成していることもあり、「いい経験でした。今後の指導に役立てていきたい」と話した。
40歳にして大会出場を続ける現役選手でもある。一昨年、全日本選手権の出場を史上初めて「20回」の大台に乗せ、昨年「21回」に伸ばした。「若い選手に刺激されました。もう少し頑張ってみます」と、選手としても収穫ある遠征帯同だったようだ。
■38kg級優勝・清水美海(京都・網野中=6月のアジア・カデット選手権に続く優勝)「アジアは総当たりリーグ戦でしたが、今回は選手数も多く、その中で優勝できたことは、とてもうれしい。でも、最後の2試合がアジアの選手だったので、(気持ちは)変わらなかったですけど…。外国の選手は組んでくるので、合わせずに飛び込むタックルでポインを取れたことが勝因です。グラウンドで甘くなったところがあったので、反復練習をしっかりして、今後も頑張りたい」
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■43kg級優勝・田南部夢叶(東京・帝京高=2年連続優勝)「ぎりぎりの試合(準決勝)もありましたが、優勝できてよかったです。最後まであきらめずに闘えたことが勝因だと思います。準決勝は、去年1回戦でやってフォール勝ちした相手。今年は相手の力が強く、思うように崩すことができなかった。最後、アンクルホールドで取りかえしましたけど、厳しい内容でした。日本選手相手にはかかる技でも、力の強い外国選手にはかからない技があることを痛感しました。もっとトレーニングしていきたい。来年もまだカデット世代なので、3連覇を目指したい」
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■46kg級優勝・須崎優衣(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高=2年連続優勝)「(無失点の全試合フォールかTフォールだが)課題はたくさん出てきました。飛び込むタックルが多かったので、組み手の中からタックルに入れるようにしたい。優勝はとてもうれしいですけど、もう次の闘いが始まっているので、早く次に向けてのスタートを切りたい気持ちです。国内での闘いも厳しくなっていくと思いますが、国内で勝って、来年もこの大会で優勝できるよう頑張りたい。ジュニア、シニアの大会にも挑みたい」