※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
惜しい5位の稲葉海人(左端)ら帰国した選手たち
メダルはなかったが、5位入賞が3選手で、昨年の「5位1選手」を上回る成績。しかし、文田敏郎監督(山梨・韮崎工高教)は「おととし、世界一が2人出た(小柳和也、佐々木アーセン)。あのイメージがあったので、メダルは持ち帰りたかった」と残念そう。
ただ、「あと一歩という惜しい試合が多かった。日本のグレコローマンは(フリースタイルに比べて)遅れがちな感じがするが、いい形の試合をする選手もいる。経験を積むことで、今後に期待が持てると思う」と選手をねぎらった。
外国選手は「ルールをうまく利用して勝利につなげている、という印象だった」とのこと。投げ技を先に思い切って仕掛け、失敗してもリスク・レスリングのルールによって失点にしないなどのテクニックが目立ったそうだ。
日本選手は「組んで、自分の形にもっていこうとして、その間に相手に仕掛けられている、といったケースが多かった。速攻のレスリングが大事だと思った。選手自身が感じたと思うし、私自身も感じたことを指導の場で伝えていきたい」と振り返った。
■惜敗の中にも、次につながる収穫あり…46kg級5位・稲葉海人(山梨・韮崎工高)
3位決定戦の中で、特に惜しい負け方をしたのが、46kg級の稲葉海人(山梨・韮崎工高)。前半のリードを守れず、終盤に無念の逆転負けだった。「悔しかった。勝てる試合を落とした。リードして、『あと2分、守り切れば』という気持ちが出てしまった。攻める気持ちがなくなったのが敗因です」と厳しく振り返った。
初の国際大会は「やりやすい選手もいれば、やりにくい選手もいた。手足が長い選手は、がぶっても胴に手を回されてしまい、得意のがぶり返しができなかった。いい経験になりました。来年もまだカデットの世代なので、JOC杯でしっかり優勝し、世界で優勝できるよう頑張りたい」と話した。
76kg級の林雷主将(山梨・韮崎工高)は「結果には納得いっていない。極めぞりを受けてしまった。日本ではあまりかからない技。実力が足りない。課題を直して今後につなげたい。チーム全体としては、惜しい試合もあった。メダルがなかったのは残念。(主将として)精いっぱいやりましたが、引っ張れなかったのかも…」と無念の表情だった。