男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
《園田新・略歴》 / 《園田新・国際大会成績》 / 《男子グレコローマン130kg級展望》 / 《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子グレコローマン》
(文=増渕由気子)
園田新(拓大)
21歳の若者が日本重量級の歴史を変えられるか―。世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)の男子グレコローマン130kg級は、昨年に続いて園田新(拓大)が出場する。2度目の晴れ舞台。昨年の大会は初戦敗退ながら、元フリースタイルの世界チャンピオン、バイリャル・マホフ(ロシア)をあわやフォールという状態まで追い込む健闘だった。
大会まで1ヶ月を切った時点で大きなけがもなく、準備を進めている。大学3年ながら国内には敵なし。学生タイトルを獲っても、「海外を見据えている」と満足せず、同階級の第一人者である自覚を持って練習を積んできた。
■重量級だけのハンガリー遠征で、さらなる飛躍を目指す
「調子は悪くないですが…」と切り出した園田の顔は少しうつむき加減だった。その理由は、世界選手権代表メンバーによる7月中旬のポーランド遠征で出場した「ピトラシンスキ国際大会」で2戦2敗に終わったことが大きかった。
昨年の世界選手権でロシアの元世界王者をフォール寸前に追い込んだ園田=撮影・保高幸子
「マルチサポートのトレーナー、角一(哲児)さんの筋力アップのトレーニングには、ついていけるようになったんですが、その成果をレスリング面で出し切れませんでした。試合でも鼻血が出たことをアピールして試合を止めてしまって、相手を休ませてしまった。ぬぐってすぐ闘えばよかったです」と、妥協してしまった部分を悔やんだ。残り1ヶ月は「ポーランドの反省を直すことが目標です」ときっぱり話した。
8月9日からは、85kg級代表の岡太一(自衛隊)と98kg級代表の米平安寛(三恵海運)との3選手でハンガリーへ向かい、合宿を行っている。重量級3選手はいずれも若手で、経験を積むことが大事な選手ばかり。
今夏2度目の欧州合宿で力を伸ばせることに、園田は「このような環境を作ってくれる強化委員に感謝したい。結果を残さないと、環境を作ってくれている先生たちも報われない。自信をつけ直し、結果を残せるように、しっかりと追い込みをしてきます」と抱負を話した。
最後の追い込み方法に関しては。「ベストの方法を見いだせていないです」と模索中だ。その理由は、130kg級ならではの独特の悩みにあった。
レスリングは減量を伴うことが一般的だが、園田はグレコローマンで唯一増量が必要な選手。「最終調整は体重を落としていく他の選手と全く違います」と、他階級の選手の調整方法は参考にならない。「6月の全日本選抜選手権では、試合3日前までは追い込んだ練習をしていて調子がよかった」と、今回も試合直前まで通常練習で迎える予定だ。
■1日1升の米を吸収、増量の努力!
自身の体格を考慮し、体重は常時125kgキープを心掛けている。練習後には数kg単位で落ちてしまうため、食事もトレーニングの一環だ。「1日5食が基本です」。特に気をつけなければならないのが海外遠征中。今回のハンガリー遠征では、練習と食事両面で細心の注意を払って体調管理を行う。
“食事トレーニング”に励む園田
「お米が大好きで、1日1升食べています。料理も好きです。食費はかかりますが、自分の体に使うことを惜しんではいけないので、しっかりと食べています」。
【ある日のメニュー】
《朝練習前》バナナ一本
《朝食》白飯二合、味噌汁、おかず
《朝ごはん後》白飯二合(卵かけごはんなど)
《昼食》白飯二合(お茶漬け、もしくは学食)
《15時ごろ》バナナ、牛乳、白飯二合のいずれかを体重を見て摂取
《夕飯》白飯三合、おかず、味噌汁、納豆、豆腐など
《就寝前》体重不足時は、バナナ3本と牛乳1リットルをミキサーに混ぜたバナナジュース
全日本合宿時には、拓大OBでグレコローマン最重量級で活躍した元全日本王者の鈴木克彰氏(警視庁)による“食事トレーニング講座”も行われている。練習後に鈴木氏の実家、東京・王子の居酒屋「やまに」で食べまくり、1回の食事で7kg増量することも。トレーニングと食事で一日が終わりそうなハードな日々。
「おやつで息抜きはあるのか?」と尋ねると、「実は甘いものが嫌い。アンコとか駄目です(笑)。しかも、常にお腹いっぱいなんでお菓子食べる余裕はないです」と、食トレのハードさをうかがわせた。
初出場で国際経験の少なかった昨年の世界選手権に比べると、今年1年間は冬のハンガリー遠征、5月のアジア選手権(カタール)、前述のポーランド遠征と国際大会での経験を積んでいる。食トレの相乗効果で、昨年よりひと回りほど成長した姿を見せてもらいたいところだ。
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