※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫) 2位に終わった妹の分まで踏ん張った屶網さら(大阪・寝屋川五)
屶網は「去年は決勝まで行ったのに負けてしまった」と、JOCアカデミーのエリート選手、南條早映(東京・稲付)に敗れた悔しい2位。それを発奮材料として、自分の弱点であるスタミナ不足に真正面から向き合った。「体力がないので、走りこんできました」。
練習は週に3、4回程度と内容の濃い練習を積んできた成果が、今大会ではてきめんだった。決勝では投げ技が決まって大量リードを奪い、大会を通しては「タックルがよく決まった」と攻撃面が素晴らしかった。
57kg級の妹・瑠夏も1年生ながら準決勝を勝ち抜き決勝へ進んだ。姉が3年で、妹は1年。同時に出られる最初で最後の大会、姉妹そろって思い出に残る決勝進出を決めた。姉の1試合前に出場した瑠夏は、残念ながら決勝で敗れてしまったが、姉の「妹の分も」という気持ちが優勝につながった。
「小学5年生の弟もやっています。3人そろってエンジョイクラブに通っています。レスリングの練習は楽しいです」と、3姉弟が力を合わせて練習に取り組んでいるようだ。今後の目標は「10月の全日本女子オープンで優勝すること。さらに11月の全国中学選抜選手権でも勝ちたいです」。
屶網がラストシーズンでタイトルラッシュを目指す。