※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 3選手の出場で団体優勝の帝京。選手の左から梅林太郎、阿部敏弥、乙黒拓斗
同アカデミーは個人に特化した指導方針を持ち、インターハイなどの学校対抗戦には焦点を当てていなかった。この大会は個人戦の持ち点を合計して団体の順位がつく大会。アカデミーの江藤正基コーチは、「団体戦で優勝できるとは思っていなかったので、喜びもひとしおです。3人ともに優勝しようというスローガンを掲げてやってきた。インターハイに向けていい弾みになったと思う」と感慨深げ。
アカデミーは少数精鋭だが、同じ階級に2選手が在籍したこともあり、同じチームでライバルとしてしのぎを削り合って成長してきた。現在の選手は全員が違う階級。江藤コーチは「ライバル同士だった時もあるが、今では自分の立ち位置が分かってきたと思う。アップなどで助け合ったりして、チームの団結力が生まれていた」と振り返った。
団体戦表彰式
夏のインターハイも楽しみだが、3人にはもう一つ大きな目標がある。世界カデット選手権(8月、サラエボ=ボスニア・ヘルツェゴビナ)だ。江藤コーチは「昨年もこの3人は出場しています。一昨年は(乙黒)拓斗が3位、去年は(梅林)太朗が3位に入りました。今年は(阿部)敏弥もメダルを取れるように頑張ってもらいたい。今回のように3人そろってコンディショニングを整えれば、外国でも優勝できると思います」と期待を込めた。
乙黒主将は「みんなの力を合わせて優勝できたのはよかった。8月のインターハイ(京都・舞鶴市)でも3人そろって優勝できるように頑張りたい」と抱負を話した。