※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
UFCでのデビューが確実となったバイリャル・マホフ(ロシア)
米国のスポーツサイト「Bleacher Report」が報じたところによると、男子フリースタイル120kg級で3度世界一に輝き、男子グレコローマンに転向して昨年の世界選手権で銅メダルを取ったバイリャル・マホフ(ロシア)が、米国の総合格闘技団体「UFC」と契約した。
同選手は現在、米国ニュージャージー州の総合格闘技ジムで総合格闘技のトレーニングに取り組んでいるが、来年のリオデジャネイロ・オリンピックを目指しており、UFCでのデビュー時期はオリンピック後になるものと思われる。
同選手は2007・09・10年世界選手権の男子フリースタイル120kg級で優勝し、2011年は銀メダル。2012年ロンドン・オリンピックでは銅メダルを取った。その後、グレコローマンに転向し、昨年の世界選手権では初戦で園田新選手(拓大)にあわやフォール負けのピンチを迎えながらも逆転勝ち。準決勝でミハイン・ロペス(キューバ)に敗れて優勝は逃したが、銅メダルを獲得した。
今年3月のロシア選手権でも優勝し、現在のロシア・グレコローマン最重量級のナンバーワンの選手。総合格闘技の経験はないため、UFCでデビューとなればトレーニング期間が必要と思われるが、両スタイルの闘いをこなす格闘能力からして、UFCでも台頭することが予想される。
UFCは、オクタゴンと呼ばれる六角形の金網リングで行われる総合格闘技。1993年のスタート時はルールの制約がほとんどなく、残虐性を理由に開催を禁止する州も多かった。現在はルールが整備され、スポーツとして確立。世界最大の通信社のAP通信が試合結果を報じるほど。
当初からレスリング出身選手が台頭しており、2008年北京オリンピックの男子フリースタイル金メダリストのヘンリー・セフード(米国)も身を投じている。
ファイトマネーは1試合で5000万円を超える選手もおり、米国プロスポーツのメジャーな存在。徹底した実力主義を貫いており、日本からも五味隆典や山本KID徳郁らが挑戦しているが、定着するにいたっていない。