※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ロシアへ向けて出発した男子フリースタイル全日本チーム
井上謙二監督(自衛隊)は「今年はオリンピックの出場枠を取りに行く年。結果を求める遠征にする。世界選手権に出てきそうな選手に勝つように、あるいは次には勝てるような内容の試合をやって帰ってきたい」と、遠征の目的を話す。
2月のイラン遠征が中止となり、フリースタイルの全日本チャンピオンにとっては待ちに待った海外遠征。「みんな張り切っていると思う。たまっているエネルギーをぶつけ、多くの収穫を得て世界選手権へつながる遠征にしたい」と話した。
ロシア遠征といえば、「ヤリギン国際大会」が行われるクラスノヤルスクには毎年遠征しているが、ウランウデはあまり馴染みのない遠征。しかし、小平清貴コーチ(警視庁)は2001年の「ブダエフ国際大会」出場で現地を訪れており、銅メダルを獲得した縁起のいい地。14年ぶりの訪問となる。
同コーチは「クラスノヤルスクからシベリア鉄道で30時間くらいかけて移動しました。懐かしい街で、どんなふうに変わっているか楽しみでもあります」と思い出を話す一方、「クラスノヤルスクと同じくらいレスリングが盛んな地で、いい選手もたくさん生まれていると聞いています。ここで合宿できるのはいい経験になると思います」と言う。 ロシアから帰国した富山英明常務理事(右)がチームを激励
■「結果を残したい!」…65kg級・前田翔吾主将(クリナップ)
前田翔吾主将(クリナップ=65kg級)は「3週間という長い遠征。試合だけに合わせるのではなく、試合以外でもいかに気持ちを高めるかが大切になる」と、大会の間の練習でも各選手に多くのことを吸収する姿勢を求める。
個人的には「とにかく結果を残したい。ロシアのレスリングは、技術のみならず体力も他国以上にたけている。学ぶことが多い。実際に肌で感じて多くのことを学んできたい」と話した。
全日本遠征に初参加となる57kg級の樋口黎(日体大)は「結果を出せるように頑張るとともに、6月の全日本選抜選手権に向けての強化になるよう、しっかりやってきたい」と話す。当初は2月のイラン遠征が全日本遠征のデビューだった。それが流れ、「今の冬は国内でしっかり鍛えよう」という気持ちだったというが、チャンスをもらい、「しっかりとものにして帰ってきたい」と、多くの収穫を求めた。
学生で参加するのはただ1人。「選んでいただけたことに自覚を持ちたい。結果を出すことで返したい」とも話した。
出発前には、女子ワールドカップ(ロシア・サンクトペテルブルグ)から帰国した日本協会の富山英明常務理事(日大監督)が到着ロビーから出発ロビーへ駆け付け、選手一人一人を激励して送りだした。
参加選手は下記の通り。
◎役員
【監 督】井上謙二(自衛隊)
【コーチ】小平清貴(警視庁)
【トレーナー】川崎淳(ハンズコーポレーション)
【帯同審判】筒井昭好(石川・金沢市立西南部中教)
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◎選手
【男子フリースタイル】
▼57kg級 森下史崇(ぼてぢゅう&Bum’s)
〃 樋口 黎(日体大)
▼65kg級 石田智嗣(警視庁)
〃 前田翔吾(クリナップ)
▼86kg級 松本篤史(ALSOK)
〃 赤熊猶弥(自衛隊)
▼97kg級 山口 剛(ブシロード)
▼125kg級 荒木田進謙(警視庁)