※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2020ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト「タレント発掘・育成コンソーシアム」事業報告(5)
第1回女子U-15/カデット育成キャンプ
2020TAコンソーシアム
プロジェクトマネジャ― 清水聖志人
筆者によるグラウンドスキルのコーチング
本事業は、各世代のタレント選考基準の作成や国内・海外育成プログラムの高品質化に注力し、JWF独自の発掘・育成・強化システムの構築に向け、アスリート選抜システム構築事業を推進する。
2014年9月12日(金)~9月14日(日)の期間、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて2020TAコンソーシアムの一環にて、第一回女子U-15/カデット育成キャンプを実施した。本キャンプは、U-15世代とカデット世代の優秀なタレントを対象に、高品質な機会(トレーニング、コーチング、教育プログラム、形態・フィットネスデータのフィードバックなど)を提供することを目的としている。
また、タレント選抜プログラムおよび海外育成プログラムの開発を目指していることから、本キャンプ中に実施したプログラムの結果を分析し、エビデンスに基づくプログラムの開発を推進する。今回のキャンプでは日本レスリング界の将来を担うU-15世代の10名とカデット世代13名の有望タレント、計23名が参加した。
レスリングの2020TAコンソーシアムは、「インテリジェントレスラーの育成」をコンセプトとしており、全国のU-12世代、U-15世代、カデット世代、ジュニア世代から優秀なタレントを発掘し、国内育成プログラムによって育成を行う。国内育成プログラムに参加した中で、特に優秀なタレントには海外における実践機会を提供する(海外育成プログラム)。
形態データの説明
両プログラムは、ディスカッション形式やグループワーク形式で展開された。特に、教育プログラム②「身体のメカニズムについて考える」にいては、女性特有の課題についての適切な対応についてデータや事例を基に展開することで、参加選手の関心も高かった。
マットトレーニングにおいては、今年度の世界カデット選手権における分析を踏まえ、この世代の技術的課題について徹底したコーチングを行った。特に、相手のバランスを崩してからアタックまでの動作やディフェンスからがぶりに関するコーチングを中心に展開した。
また、国立スポーツ科学センターの協力により、ナショナルチームが行っている内容と同様の形態測定、フィットネス測定を実施し、キャンプ最終日に測定データのフィードバック及び、ナショナルチームやジュニア代表データとの比較を基にフィットネスレベル向上に向けたカウンセリングを実施した。
本事業は、日本レスリングが永続的にメダルを獲得するための発掘・育成システムの構築を目指すものであり、文部科学省及び独立行政法人日本スポーツ振興センターより事業の成果報告が求められる。このことから、本協会に関わる全ての関係者が方向性を共有し、事業の推進に努める必要がある。
![]() 斎藤将士コーチ(警視庁)によるスタンドスキルのコーチング |
![]() 教育プログラムの様子 |
![]() 教育プログラム:身体のメカニズムについて考える―女性アスリートが目標に向かうために―(相澤勝治:専修大学准教授) |
![]() 教育プログラム:目標達成までのプロセスについて考える(島本好平兵庫教育大学助教:スポーツ心理学者) |