※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2020ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト「タレント発掘・育成コンソーシアム」事業報告(3)
第1回男子ジュニア検証キャンプ
2020TAコンソーシアム
プロジェクトマネジャ― 清水聖志人
マット練習の様子①
2014年6月20日(金)~6月22日(日)の期間、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて2020TAコンソーシアムの一環にて、第一回男子ジュニア世代検証キャンプを実施した。本キャンプは、男子ジュニア世代の優秀なタレントを対象に、高品質な機会(トレーニング、コーチング、教育プログラム、形態・フィットネスデータのフィードバックなど)を提供することを目的としている。また、タレント選抜プログラムおよび海外育成プログラムの開発を目指していることから、本キャンプ中に実施したプログラムの結果を分析し、エビデンスに基づくプログラムの開発を推進する。今回のキャンプでは日本レスリング界の将来を担う男子ジュニア世代計27名が参加した。
レスリングの2020TAコンソーシアムは、「インテリジェントレスラーの育成」をコンセプトとしており、全国のU-12世代、U-15世代、カデット世代、ジュニア世代から優秀なタレントを発掘し、国内及び海外育成プログラムによって育成を行う。
本キャンプは、強化段階(ターゲットアスリート)へと上がる検証の機会と位置付けており、キャンプ中に実施したプログラムの結果を分析し、ジュニア世代のターゲットアスリートの選抜を行った。 教育プログラム②アンチ・ドーピングについて考える(Ya-ya 山本:日本アンチ・ドーピング機構シニアマネージャ)
「アンチ・ドーピングについて考える」においては、レスリング競技のオリンピック除外問題にも触れ、除外候補の要因の一つとしてドーピング違反者の多さが影響していたと考えることや、ドーピング違反者が出ると、スポーツの崩壊や競技へのイメージ低下を招くため、身近な脅威であると説明された。加えて、2015年1月1日に世界アンチ・ドーピング規定がアップデートされること、ドーピング違反者には、4年間の制裁が科せられるようになり、コーチやサポートスタッフにも役割や責務がさらに増すことにも言及された。
マットトレーニングにおいては、昨年の世界ジュニア選手権における分析を踏まえ、この世代の技術的課題について徹底したコーチングを行ったうえで、ポジション別の攻防やスパーリングを中心に展開した。
また、国立スポーツ科学センターの協力により、ナショナルチームが行っている内容と同様の形態測定、フィットネス測定を実施し、キャンプ最終日に測定データのフィードバック及び、ナショナルチームやジュニア代表データとの比較を基にフィットネスレベル向上に向けたカウンセリングを実施した。
本事業は、日本レスリングが永続的にメダルを獲得するための発掘・育成システムの構築を目指すものであり、文部科学省及び独立行政法人日本スポーツ振興センターより事業の成果報告が求められる。このことから、本協会に関わる全ての関係者が方向性を共有し、事業の推進に努める必要がある。
![]() 伊藤広道コーチ(自衛隊:情報戦略委員会)によるスタンドスキルのコーチング |
![]() マット練習の様子② |
![]() フィットネス測定(300Mインターミッテント) |
![]() 教育プログラム①アスリートのライフスタイルを考える(久木留毅:専修大学教授) |
![]() 教育プログラムの様子①短期、中期、長期で目標を視覚化し、PDCAサイクルを意識する |