※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
2020ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト「タレント発掘・育成コンソーシアム」事業報告(2)
第1回女子ジュニア世代検証キャンプ
2020TAコンソーシアム
プロジェクトマネジャ― 清水聖志人
教育プログラム①アスリートのライフスタイルを考える(久木留毅:専修大学教授)
2014年5月23日(金)~5月25日(日)の期間、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて2020TAコンソーシアムの一環にて、第一回女子ジュニア世代検証キャンプを実施した。本キャンプは、女子ジュニア世代の優秀なタレントを対象に、高品質な機会(トレーニング、コーチング、教育プログラム、形態・フィットネスデータのフィードバックなど)を提供することを目的としている。また、タレント選抜プログラムおよび海外育成プログラムの開発を目指していることから、本キャンプ中に実施したプログラムの結果を分析し、エビデンスに基づくプログラムの開発を推進する。今回のキャンプでは日本レスリング界の将来を担う女子ジュニア世代計14名のタレントが参加した。
レスリングの2020TAコンソーシアムは、「インテリジェントレスラーの育成」をコンセプトとしており、全国のU-12世代、U-15世代、カデット世代、ジュニア世代から優秀なタレントを発掘し、国内及び海外育成プログラムによって育成を行う。 山本英典コーチ(自衛隊:強化委員会)によるスタンドスキルのコーチング
また、高度レベルの競技活動を通して得た経験や知識を基に、日本のリーダーとなれるアスリートの育成を目指すため、「教育プログラム」に注力しているのが特徴である。今回キャンプにおいては、「アスリートのライフスタイルを考える」と「アンチ・ドーピングについて考える」の2つの教育プログラムが展開された。
「アスリートのライフスタイルを考える」においては、インテリジェントレスラーの定義から日本レスリング協会として目指すアスリート像についての説明がなされ、競技引退後も活躍するためのどの様な行動をとるべきかディスカッションやワークが行われた。
マットトレーニングにおいては、昨年の世界ジュニア選手権における分析を踏まえ、この世代の技術的課題について徹底したコーチングを行った。特に、コンタクト状態からの攻撃や対応に加え、投げ技に関するコーチングを中心に展開した。
また、国立スポーツ科学センターの協力により、ナショナルチームが行っている内容と同様の形態測定、フィットネス測定を実施し、キャンプ最終日に測定データのフィードバック及び、ナショナルチームやジュニア代表データとの比較を基にフィットネスレベル向上に向けたカウンセリングを実施した。
本事業は、日本レスリングが永続的にメダルを獲得するための発掘・育成システムの構築を目指すものであり、文部科学省及び独立行政法人日本スポーツ振興センターより事業の成果報告が求められる。このことから、本協会に関わる全ての関係者が方向性を共有し、事業の推進に努める必要がある。
![]() キックオフミーティング(ジュニア世代ターゲットアスリート認定に関する説明) |
![]() 教育プログラム②アンチ・ドーピングについて考える(井上健:日本アンチ・ドーピング機構) |
![]() 教育プログラムの様子①短期、中期、長期で目標を視覚化し、PDCAサイクルを意識する |
![]() 教育プログラムの様子② |
![]() 飛行機投げのコーチング |
![]() 形態・フィットネスデータのフィードバックとカウンセリング |