2015.01.14

「スーパー8」大使の吉田沙保里選手(ALSOK)と富山英明UWW理事(日大監督)がスイスへ向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 1月14日にスイス・ローザンヌで行われる世界レスリング連盟(UWW)の女子レスリング普及キャンペーン「スーパー8」の開幕イベントと、翌15日に同所で行われるUWW理事会のため、「スーパー8」大使の吉田沙保里選手(ALSOK)とUWW理事の富山英明・日大監督が12日、成田空港発のスイス航空で出発した。

 2001年の世界ジュニア選手権以来のスイス行きとなる吉田選手は「正直なところ、具体的に何をすればいいか聞いていない。どんなことでも、全力を尽くして女子レスリングの普及に貢献したい」と不安の中にも全力投球を宣言。

 国際オリンピック委員会(IOC)の博物館で行われることについて、「すごいところでできることは光栄です。いろんなことを経験できることを、うれしさとして受け止めたい」と話した。

 「スーパー8」の大使には、55kg級時代からのライバル、ソフィア・マットソン(スウェーデン)やヘレン・マロウリス(米国)がおり、今回は”タッグチーム”を組んで女子レスリングをアピールすることになる。「マットの上ではライバルですけど、マットを下りれば交流したい。力を合わせて、みんなで頑張りたい」と、お互いの闘いを一時休戦し、IOCと“世間”を相手に女子レスリングを広めたい気持ちを表した。

 富山理事は昨年9月のUWW総会で理事に選ばれたあと、最初の理事会出席。今回はグレコローマンのルール改正、シングレットとマットの変更、国籍変更の規定改正、女子のベテランズ部門の創設、ノン・オリンピック・スタイル(グラップリング)の名称などが議題として挙がっているが、具体的な内容までは伝わっていない。国際レスリング連盟(FILA)の時代は各議題の詳細な内容が送られていたのと対照的。

 富山理事は「いきなりシングレットの変更が決定されることはないと思うが…」と予想するが、階級区分変更の時は、理事会で十分な議論を重ねて決定されたわけではなかったのが現実。多くのことが有無を言わさず「決定」となることも予想される。「どうなるかね」と暗中模索の理事会出席となりそうだ。