2014.12.11

全国中学生連盟が「高円宮賞」を受賞…27年の中学生・日韓交流が評価される

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 高円宮記念日韓交流基金が制定している「高円宮賞」に、27年間にわたって中学生の日韓交流を実施している全国中学生レスリング連盟が選ばれた。12月10日、都内の韓国大使館文化院で顕彰式典が行われ、同連盟の沼尻久会長が高円宮妃殿下ほかから表彰状や高円宮賞を受賞した。

 日本と韓国の民間の交流促進を目的に制定された賞で、今年が6回目。全国中学生連盟は毎年、全国中学生選手権の男子の優勝選手を韓国に派遣し、合同練習と試合を通してお互いの技術向上と親ぼくをはかっている。

 韓国からアジア・レスリング連盟の梁勇治副会長、釜山レスリング協会の金忠起名誉顧問が、この式のために来日して祝福。日韓の強いつながりを感じさせた。

 中学生レベルでの国際交流が25年以上続くケースはあまりなく、持続し発展させてきた連盟の功績が認められた。顕彰式典で高円宮妃殿下は「交流が長く続くのは信頼関係があるから。純粋でさわやかな交流だから長く続く」と、全国中学生レスリング連盟ほか3団体(他は、いずれも教育・文化部門)の受賞団体に祝辞を述べた。

 沼尻会長は「日本協会としては47年間、日韓交流が続いている。そのうえで私たちの交流がある。昔は九州から船で釜山へ渡った。今回、その釜山から2人、お祝いに駆けつけていただき、とても感謝しています」と、日韓で支えてくれた人への感謝の第一声。

 「毎年、中学生の全国チャンピオンを韓国に送り、心あたたまる歓迎を受けている。最近、韓国(のフリースタイル)は今ひとつ。強くなって、お互いに切磋琢磨していきたい」とあいさつした。

 日本協会と韓国協会の役員レベルでも太いパイプがある。これからも中学生の日韓交流を続けていくことは当然だが、沼尻会長は「予算の問題がクリアされれば、女子も派遣して交流したい」との希望を話し、今後の課題とした。

 顕彰式典には日本協会の福田富昭会長も姿を見せ、「素晴らしい顕彰を受けることができたのは、沼尻会長が47年間にわたって日韓交流を続けてくれたおかげです。心からお祝い申し上げます」と、長年の労をねぎらった。