2014.11.22

11・28~29「ブラジル・カップ」出場チームがリオデジャネイロへ向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 11月28日(金)~29日(土)にブラジル・リオデジャネイロで行われる「ブラジル・カップ」に出場する男子グレコローマンと女子の選抜チームが11月21日、羽田空港発のルフトハンザ航空で出発した。現地で参加チームと合同練習したあと、大会に臨む。男子フリースタイルは24日に出発する。

■「オリンピックの地に立てば、気持ちは盛り上がる」…西口茂樹監督

 男子グレコローマンの西口茂樹監督(拓大教)は「リオデジャネイロ・オリンピックにつなげる遠征にする」ときっぱり。「若手が頑張れば日本全体の実力がアップする」と、あえて3番手くらいに位置している若手選手を指名したそうだが、「今回のメンバーから3人くらいはリオデジャネイロの代表になってもおかしくない。いや、全員が『自分がリオ・オリンピックに出る』という気持ちを持ってほしい」と、遠征を機に一気に日本代表権を取る飛躍を期待した。

 オリンピックの開催地へ行くことについては、「自分もソウル・オリンピックの前の年にプレ大会に行き、現地を見たことで気持ちが盛り上がった」と振り返る。「オリンピックの地に立てば、気持ちは盛り上がる」と、モチベーションの向上も期待した。

 太田忍主将は「オリンピックへ向けての強化で派遣してもらっているので、結果にこだわりたい。試合だけでなく、練習もあるので、しっかりレベルアップして帰ってきたい」と気を引き締める。初めて足を踏み入れる国であり、24時間の移動。全日本選手権の1ヶ月前に、これまで経験したことのない局面に遭遇しそうだが、「いろんな経験をして強くなりたい。これでマイナスになるようなら、ダメですよ」ときっぱり、

 これまで130kg級で闘ってきて、階級ダウンに踏み切った前川勝利(早大)にとっては、98kg級のデビュー戦となる。今年初めの階級区分変更によって120kg級が130kg級となり、4月のアジア選手権(カザフスタン)には130kg級で出場したが、外国選手のパワーアップは、自分のそれを大きく上回っていた。

 階級ダウンを決め、30kgを超える減量に挑戦。110kgまで比較的スムーズに落ち、現在は104kgまで体が絞れた(今大会は2kgオーバーでの計量なので、100kgで計量)。かなりの困難があったと思われるが、とりあえず体重の目標はほぼクリアした。体力面はどうか。「とにかく(実戦を)やってみて、それで、あらためて98kg級の体づくりをしたい」と話し、98kg級の試運転に挑む。

■「試合前日まで外国選手としっかり練習させたい」…木名瀬重夫監督

 女子の木名瀬重夫監督(日本強化専任コーチ)は「オリンピックの開催地での大会。移動の大変さや現地の状況を知る意味でも重要」と、オリンピックを意識する遠征であることを強調。これまで合同練習してから大会に臨む遠征はあまりなく、大会に出るだけという遠征が多かった。「いい機会なので、試合前日まで外国選手としっかり練習させたい」と話し、練習を試合前の調整練習にはさせず、強化練習ということを強調した。

 女子の田中亜里沙主将(早大)は「学生中心のメンバーですが、全員が優勝を目指し、もらったチャンスを生かしたい。(帰国してから)すぐに全日本選手権があるので、何らかの収穫を得て、つながる内容にしたい」と気持ちを高める。24時間の移動に対する不安はあるようだが、「オリンピックの開催地に行く楽しみがあります」と、気持ちの高揚の方が上の様子で、「治安がよくない国と聞いているので、行動に十分気をつけたい」と、公私にわたってチームをまとめる姿勢を見せた。

 「主将を助け、チームを盛り上げたい」と話す上原榛名副主将(法大)は、初めてシニアの日本選抜チームのメンバーとしての遠征。「チャンスを与えてもらってうれしい。国際大会のメダルがまだないので、必ず取って帰ってきたい。今までやってきたことを試したい」と、チームの核となるべく闘いを誓った。


 《大会日程》
11月28日(金) 男子グレコローマン59・66・71・75kg級
           女子全階級
   29日(土) 男子グレコローマン80・85・98・130kg級
           男子フリースタイル全階級


 ◎役員

 【男子グレコローマン】▼監督 西口茂樹(拓大教)、▼コーチ 笹本睦(日本協会アシスタントコーチ)

 【男子フリースタイル】▼監督 和田貴広(国士舘大教)、▼コーチ 松永共広(日本協会専任コーチ)

 【女子】▼監督 木名瀬重夫(日本協会専任コーチ)、▼コーチ 笹山秀雄(自衛隊)

 【トレーナー】▼男子 川﨑淳(ハンズコーポレーション)、▼女子 高橋あすか(ファクトリージャパン)

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 ◎選手

 【男子グレコローマン】
▼59kg級 太田 忍(日体大)
▼66kg級 高橋昭五(日体大)
▼71kg級 屋比久翔平(日体大)
▼75kg級 阪部 創(神奈川大)
▼80kg級 前田祐也(拓大)
▼85kg級 角 雅人(自衛隊)
▼98kg級 前川勝利(早大)
▼130kg級 園田 新(拓大)

 【男子フリースタイル】(24日出発)
▼57kg級 大城一晟(国士舘大)
▼61kg級 中田 陽(日体大)
▼65kg級 田中幸太郎(阪神酒販)
▼70kg級 保坂 健(早大)
▼74kg級 奥井眞生(国士舘大)
▼86kg級 松坂誠應(日体大) 
▼97kg級 吉川裕介(山梨学院大)

 【女子】
▼53kg級 田中亜里沙(早大)
▼55kg級 木村安里(群馬大)
▼58kg級 樋口美賀子(環太平洋大)
▼60kg級 坂野結衣(日大)
▼63kg級 佐藤喜歌(自衛隊)
          上原榛名(法大)
▼75kg級 阿部梨乃(日大)