2014.11.19

米国の金メダリスト兄弟を描いた映画「フォックスキャッチャー」が来年2月に日本で公開

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 複数の映画サイトが報じたところによると、1996年に米国のレスリング・オリンピック金メダリストがらみで起きた事件をもとにした「フォックスキャッチャー」が、来年2月14日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開されることになった。米国では今月14日に公開された。

「フォックスキャッチャー」の予告編

 映画で取り上げられるので、1984年ロサンゼルス・オリンピックのフリースタイル74kg級で金メダルを取ったデーブ・シュルツと、弟で同82kg級で優勝したマーク・シュルツの兄弟。

 物語は、金メダリストでありながら苦しい生活を強いられているマークが、米国の三大財閥ともされていたデュポン財閥のジョン・デュポンがつくったからレスリングチーム「フォックスキャッチャー」に加わり、1988年ソウル・オリンピックでの金メダル獲得を目指すことからスタート。

 デュポンの移り気な性格と不健全なライフスタイルが徐々に風向きを変えていき、兄デーブがチームに加わったことで、悲劇の結末へとつながっていくまでが描かれている。

 監督は「カポーティ」「マネーボール」などを手掛けたベネット・ミラー監督。実在の人物と事件を丹念に映し出すことに定評のある監督で、今年の「カンヌ国際映画祭」監督賞を受賞している。

 デーブ・シュルツは、米国に滞在していた1976年モントリオール・オリンピック金メダリストの伊達治一郎さんの指導を受けて力をつけ、1983年世界選手権で優勝。翌年のオリンピックでも勝った。親日家として知られ、日本選手の数多くと交流があった。毎年2月に米国・コロラドスプリングズで行われている「デーブ・シュルツ記念国際大会」は、不慮の死を遂げたデーブ・シュルツを偲んでスタートした大会。

 マーク・シュルツは、総合格闘家のヒクソン・グレーシー(ブラジル)にレスリングを教えたことでも有名。自身も総合格闘技に挑み、UFCに出場したこともある。