2014.11.02

97人が参加して第4回マスターズレスリング講習会

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 全日本マスターズ連盟による第4回マスターズレスリング講習会が11月1日、東京・味の素トレーニングセンターでスタート(1泊2日)。

  防衛大学生を含めて97人の選手が、午前と午後の計6時間、全日本チームの田南部力コーチ(警視庁)の指導を受けた。最高齢は78歳の青木巧さんで、C型肝炎を克服しての参加だった(注=後日、「特集」します)。

 マスターズレスリングの盛り上がりによって2011年から始まった講習会。世界ベテランズ選手権への出場経験もある青山紫郎理事長らが「全日本マスターズ選手権以外にも、マスターズ選手が集まり、交流する機会が必要」と考え、始まった。

 青山理事長は「毎年、参加している人は真剣にやっている。講師(田南部コーチ)が初心者に分かりやすく指導してくれるのがいい。習った技をさっそくスパーリングで試す選手が多く、いい講習会になっていると思う」と話し、選手の熱気に満足そう。

 日本では、社会人になると仕事に追われてスポーツどころではなくなるか、酒、パチンコ、マージャンで余暇をつぶすケースが多いが、欧米では社会人にとってもスポーツが生活の一部という人が多い。そんな社会を目指し、青山理事長はマスターズレスリングのさらなる隆盛を訴える。

 そのひとつとして、世界ベテランズ選手権への参加を促す方法があるが、遠征の経費はほぼ全額自己負担といった問題のほか、仕事を持っているので1週間も休みが取りづらいといった状況もあり、一筋縄ではいかない。そこで、「まだ構想の段階ですが…」と前置きして、全日本マスターズ選手権をオープン化し、外国選手も参加する大会に発展させて選手の目標をつくることも考えているという。

 「国際大会となれば注目度も上がるはずです。以前から思っていたことですが、理事長になったことで、実現へ向けて動こうと思っています」と言う。

 並行して、韓国や中国などに呼びかけ、アジアのマスターズの連盟の設立も視野に入れている。世界ベテランズ選手権に参加するアジアの国は日本とイランくらいで、たまにインドが出てくる程度。欧米には30人以上が参加する国があるのに比べれば、寂しい限り。東アジアのマスターズレスリングを盛んにすることで、日本のマスターズレスリングの発展につなげたいという。

 連盟の設立はすぐに実現できることではないが、全日本マスターズ選手権のオープン化なら、そう難しいことではない。「できる、できないはともかく、目標がなければ面白くない。若い時は選手として夢を見ていた。これからはマスターズ連盟の役員として夢を持ち、追いかけていきたい。努力は絶対に無駄にはならない。自分の代ではできなくとも、後を継いでくれる人がやってくれるかもしれない」と熱く話し、マスターズレスリングの発展を誓った。

 講師を務めた田南部コーチは「皆さんからパワーをもらった。自分も、いつまでもレスリングに携わっていたい気持ちになりました」と、選手の熱気に感謝した。

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マスターズの世界王者、勝目力也さんも指導陣の一人として参加

連盟理事の宮原厚次さん(自衛隊元監督)も汗を流した

スパーリングでも“人気”を博した田南部コーチ

78歳の青木さん(右)と70歳の今村房雄さんの打ち込み