2014.10.31

オリンピック王者ジョーダン・バローズ(米国)が再起し、来年の世界奪取を宣言

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 米国レスリング協会のホームページは、男子フリースタイル74kg級で2012年ロンドン・オリンピックほか2度の世界選手権を制し、今年の世界選手権(ウズベキスタン)は3位に終わったジョーダン・バローズ(米国)が、来年の再起を宣言したことを報じた。

 バローズはネブラスカ大時代に全米学生選手権で2度優勝したあと、フリースタイルの国際舞台にデビュー。2011年世界選手権(トルコ)、ロンドン・オリンピック、2013年世界選手権(ハンガリー)を含めて無敗をキープ。今年2月のヤシャ・ドク国際大会(トルコ)で同じ米国のニック・マラブルに敗れるまで69連勝をマークした。

 今年の世界選手権では、初戦で左ひざをねんざ。以後、ひざを幾重にもテーピングして試合をしたが、準決勝で最大のライバルと目された2009・10年世界王者のデニス・ツァルグシュ(ロシア)に0-9で黒星。世界の連覇記録が途切れた。しかし、3位決定戦で勝ち、銅メダルを獲得した。

 ツァルグシュはバローズに勝ったあと、決勝で高谷惣亮(ALSOK)を破って優勝。3度目の世界一に輝いた。階級区分が変わっても「74kg級」として残ったこの階級は、2009年以降、ツァルグシュとバローズが3度ずつ世界一に輝いている。対戦成績はバローズの2勝1敗。

 世界選手権から約1ヶ月半が経ち、バローズは練習を再開。「けがは完治した。私の体には、普通の人の3倍の速さで治癒するスーパーマン症候群がある。今は気持ちを高めており、来シーズンへ向けての準備をしている」と話した。ツァルグシュについては、「タフな選手で、私のライバル。彼は心底から優勝することを望んでいるが、私も心底から彼に勝つことを望んでいる。彼との再戦を楽しみにしている」と話した。

 来年の世界選手権は9月に米国・ラスベガスで行われる。世界レスリング連合(UWW)が、これまでボクシングなどで多くのビッグイベントが行われた都市で開催することで、レスリングを“世界の一流スポーツ”としてアピールするイベント。豪華な舞台で“米ロの雄”が激突するか。