※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
判定に納得のいなかいアブドバリは、鄭智鉉の握手を拒否(イラン・ラジオ・ホームページより)
UWWのネナド・ラロビッチ会長(セルビア)は「私たちは、問題点に関して各国協会と私たちとがコミュニケーションすることを奨励する。この試合は、審判コミッションによって再考されている」と、イラン協会の行動を非難することはせず、「審判委員会がフェアプレーの精神に基づいて試合を正しく判断し、判定してくれることを望む」とコメントしている。
審判コミッションは数週間以内に結果を出す予定。UWWは昨年(当時はFILA)、独立性を保つため審判コミッションを理事会から完全に切り離しており、ラロビッチ会長らが判定に意見することはない。
問題の試合は、第1ピリオドの50秒ころ、鄭智鉉が飛行機投げのような形で4点を取った直後、アブドバリが逆にがぶり返しを3度仕掛け、フォールの体勢へ持ち込んだ。鄭智鉉がこらえてフォールを免れたものの、アブドバリはもう一度がぶり返しをしかけてフォールの体勢に持ち込み、1分32秒、レフェリーはマットをたたいた。
韓国側はチャレンジしたが、ビデオを見る前にチェアマンからの主張があり、最後のがぶり返しが、首だけを極めての技になっていたか、けい動脈を絞めたかの反則技と判断され、試合を続行(韓国セコンドは、けい動脈絞めをアピールしている)。第2ピリオド、鄭智鉉が4点技を決めるなどして逆転勝ちした。(下記、You tube参照)
ジュリーの一員として参加していた日本協会の斎藤修審判委員長は「最後のがぶり返しは、明らかに首だけをつかんだ技になっており、反則技」と断言。この試合のあと、すぐにビデオをUWWに送り、「ラロビッチ会長からも『問題なし』との回答を得たと聞いている」と話した。