2014.10.02

【アジア大会最終日・特集】アジア選手権のリベンジならず…男子グレコローマン75kg級・金久保武大(ALSOK)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【仁川(韓国)、文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫】リベンジならず、またしても2位! アジア大会の男子グレコローマン75kg級は、金久保武大(ALSOK)が、決勝でロンドン・オリンピック66kg級王者にして2013年世界選手権74kg級王者の金炫雨(韓国)に0-4で敗れて銀メダルに終わった。金久保は「全然駄目だったです。もうちょっといけるかと思っていたんですけど…。練習が足りないですね」とうなだれた。

 アジア大会最終日は、実施4階級すべてで韓国が決勝に進出。ファイナルは完全アウエーの状況で行われた。金久保と金炫雨は4月のアジア選手権(カザフスタン)の決勝で闘っており、金久保が0-9からのフォールで負けている。

 それだけに、「今度こそ」と意気込んだ金久保だったが、第1ピリオドの1分半に警告を受けてグラウンドに持ちこまれると、そこから俵返しを受けて失点。最初は金久保が相手の俵返しにうまく乗ってバックに回り込んだとみなされ、スコアは1-1と表示された。

 審判協議の結果、金久保が手か脚で相手の脚をさわったとみなされたようで、逆に2度目の警告を受けて相手に1点が追加された。「納得いっていない。相手に乗れて、いい感じだった」と、納得いかない表情を浮かべた。

■銀メダルにも満足した表情はなし

 大会2週間前には右足の甲をけがし、試合では麻酔を打って臨んでいた。その状況で、アジア大会2位は大健闘と言えるかもしれない。決勝は完全アウエーの状況で、今回はフルタイムで闘って善戦したとも言える。

 しかし金久保は「負けは、負け。グラウンドが得意なのに、それに持ちこめなかった」と、グラウンドの機会を作れなかったことを悔やみ、「(2位になって)うれしいとかは全くない。差を見せつけられた感じです。結局、1回戦で当たっていたら、そこで負けているわけで、組み合わせがよかっただけ」と、満足した様子はなかった。

 「スタンドで半歩前に出られるようにしたい。彼に勝てるようにしないと先に進めない。頑張らないと、2年後に間に合わない」と眉をひそめた金久保。大舞台での銀メダルにおごらず、リオデジャネイロ・オリンピックに向けての飛躍を誓った。