※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【仁川(韓国)、文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫】アジア大会のレスリング競技最終日は10月1日、男子グレコローマン4階級が行われ、66kg級の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)と75kg級の金久保武大(ALSOK)が銀メダルを獲得した。85kg級の岡太一(自衛隊)は敗者復活戦で敗れて、10位に終わった。
2012年ロンドン・オリンピック60kg級銅メダリストで、今大会66kg級に出場した松本は、1回戦からミャンマー、タジギスタン、北朝鮮の選手を連破。決勝で2013年世界選手権66kg級王者の柳漢壽(韓国)と対戦し、0-2で競り負けた。しかし、2010年広州アジア大会の銅メダルに続き、2大会連続で表彰台に上り、順位もひとつあげた。
75kg級の決勝は、4月のアジア選手権(カザフスタン)と同じ対戦となり、ロンドン・オリンピック66kg級王者で2013年74kg級王者の金炫雨(韓国)と対決。金久保はグラウンドからの攻撃で失点し、0-4で銀メダル。アジア選手権のリベンジはならなかった。
85kg級の岡太一(自衛隊)は初戦で韓国のリー・セヨルに敗北。敗者復活戦に回ったが、イラン選手に敗れて3位決定戦に進出できなかった。130kg級は出場していない(8階級中、1ヶ国から7階級までの出場のため)。
グレコローマンの全日程が終了し、日本勢は金メダル1つ、銀メダル3つ、銅メダル1つ、計5つのメダルを獲得した。
各選手の成績は下記の通り。
![]() オリンッピック後の初の国際大会で銀メダルの松本隆太郎(群馬ヤクルト販売) |
![]() 4月のアジア選手権に続く銀メダルの金久保武大(ALSOK) |
◎男子グレコローマン
【66kg級】松本隆太郎(群馬ヤクルト販売) 2位=14選手出場
決勝 ●[0-2]Ryu Hansu(柳漢壽=韓国)
《試合経過》第1ピリオド、最初に松本が警告を受け、3分55秒に2度目の警告を受けて1失点。相手のグラウンド攻撃に松本の体が何度も宙に浮いたが、なんとか腹ばいで防ぐ。第2ピリオドの4分55秒、韓国に最初の警告。松本は俵返しの体勢からがぶりに移行するも得点できず。終盤には場外ポイントを奪われ、0-2で金メダル獲得はならなかった。
準決勝 ○[4-1]Ri Hakwon(北朝鮮)
《試合経過》第1ピリオド1分15秒、相手が懐に入り込んだところを松本が合わせてがぶり返しを決めて4点。バックポイントの1点を失ったが、その後は相手に攻めさせず、4-1で決勝進出を決めた。
2回戦 ○[5-2]Khusrav Obloberdiev(タジギスタン)
《試合経過》第1ピリオド1分45秒、松本ががぶり返しを決めたが、ブリッジが十分でなく2-2とみなされる。第2ピリオド、相手の2度目の警告で松本が1点追加。4分40秒にバックポイントを追加して5-2で勝った。
1回戦 ○[Tフォール、0:44=10-0]Tun Aung(ミャンマー)
《試合経過》第1ピリオド29秒、松本が一本背負いで4点。2点を追加し、直後にバック投げを決めてテクニカルフォール勝ち。
【75kg級】金久保武大(ALSOK) 2位=12選手出場
決勝 ●[0-4]Kim Hyeonwoo(金炫雨=韓国)
《試合経過》第1ピリオドの1分半ごろ、金久保に警告。俵返しを仕掛けた相手に、金久保はうまく合わせてバックに回り込む。最初は1-1と表示が出たが、審判協議の結果、金久保が相手の足を妨害したと判定され、2度目の警告+1失点で0-2とされる。反則のため再びパーテールポジションとなり、俵返しで2失点。第2ピリオドは両者ともに得点なく4-0で試合終了。
準決勝 ○[1C-1]Payam Bouyeri Payani(イラン)
《試合経過》第1ピリオドは両者ともに1度ずつ警告を受けたが0-0。第2ピリオドの3分20秒、金久保が場外ポイントで1失点するが、4分18秒、相手に2度目の警告があって同点に追いつき、1-1の警告差で辛勝した。
2回戦 ○[フォール、2:12=6-0]Kusno Hadi Saputra(インドネシア)
《試合経過》第1ピリオドの2分すぎ、金久保がバックを奪って2点。俵返しにつなげて、そのままフォールした。
1回戦 ○[5-1] Amanaly Atayev(トルクメニスタン)
《試合経過》第1ピリオドの2分頃、相手に警告を与えて金久保がグラウンドの攻撃。俵返しを決めて4点。グラウンドがもつれで相手がバックに回って1失点。第2ピリオド、相手が2度目の警告を受け、金久保が1点を追加。
【85kg級】岡太一(自衛隊) 10位=14選手出場
敗復戦 ●[0-2]Mojtaba Karimfar(イラン)
《試合経過》第1ピリオド、岡がバックを奪われて0-2。第2ピリオド4分40秒、相手に警告を与え、岡がグラウンドで攻めて相手を持ち上げるが、得点には至らず、銅メダルの道が断たれた。
1回戦 ●[0-5]Lee Seyeol(韓国)
《試合経過》第1ピリオドの1分半すぎ、岡が警告を受けてグラウンドの防御。相手のリフト技をなんとかこらえる。2分30秒、岡が巻き投げを狙うが失敗。第2ピリオド、岡が2度目の警告で1失点、グラウンドでもバック投げを受けて0-5とされ、試合終了。