※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■志喜屋正明の2014年全日本大学グレコローマン選手権成績 決 勝 ○[Tフォール、0:47=8-0]松野裕也(山梨学院大) 準決勝 ○[4-2]奈良勇太(日体大) 3回戦 ○[Tフォール、0:50=8-0]藤山徳馬(明大) 2回戦 ○[Tフォール、0:23=8-0]中村圭佑(日大) 1回戦 BYE |
(撮影=山内猛) インカレで敗れた相手にリベンジして優勝の志喜屋正明(国士舘大)
沖縄・浦添工高時代に全国高校生グレコローマン選手権優勝などの実績を残して国士舘大へ進学。昨年のJOC杯ジュニアで優勝し、インカレでは3位入賞。今年のインカレは絶好のチャンスだったが、決勝で日体大1年生の奈良勇太に敗れ、好機をものにできなかった。
インカレは「ここ(決勝)まできたら勝てる、という気持ちがあり、開始数秒でタックルに入られてしまって…。自分の弱いところです」との後悔。大学へ進学した時、4年生選手の強さは雲の上だった。「そんな上級生にならなければならないのに、1年生チャンピオンを許すなんで…。情けなかった」。
落ち込む志喜屋を、周囲は「これも経験だから」と励ましてくれた。負けてもそう言ってくれる人の存在はありがたかった。「この階級を(1年生王者を許す階級と)軽く見られたくなかった」という思いもあって自分のレスリングを見つめ直し、この大会での巻き返しにかけてきた。
準決勝で奈良に4-2でリベンジすると、決勝はグラウンド技がさえ、4点のバック投げも出てわずか47秒でのテクニカルフォール勝ち。奈良戦以外の3試合はいずれも1分かからないテクニカルフォールという内容で初の学生タイトルを手にした。
「グラウンドになれば、必ず返せるという自信はあります」とのことで、今後の課題は、だれが相手でもその形にもっていくこと。警告をとってのパーテールポジションでは、一呼吸おいてしまうからか、「効果が少ないと思う」と狙わない。スタンドでポイントを取ってグラウンド攻撃へ持ち込むパターンの確立を目指す。
闘うのはグレコローマンだけではない。来月の長崎国体では沖縄代表としてフリースタイルにエントリーしており、11月の全日本大学選手権(フリースタイル)にも出場する予定。チームのために闘い、強さを求めていく予定で、その向こうにあるのはオリンピック。「これで満足しない。やっとスタートライン」と気持ちを新たにしていた。