2014.09.25

【記録】レスリング史上初のアジア大会4連覇を目指す吉田沙保里(ALSOK)だが、1日違いで先を越される可能性もあり

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 9月27日(土)から韓国・仁川で始まるアジア大会のレスリング競技で、第2日の女子55kg級に出場する吉田沙保里(ALSOK)が、アジア大会レスリングで史上初の4連覇に挑む。

 日本のあらゆる競技を通じて、女子個人で3連覇を達成している選手には、1958年東京大会から66年バンコク大会の水泳・女子100メートル背泳ぎで優勝した田中聡子がいて、吉田は女子2人目の3連覇達成選手(日本男子では、陸上ハンマー投げの室伏重信が1970年バンコク大会から1986年ソウル大会まで5連覇を達成しており、吉田が今回勝っても日本選手最高とはならない)。

 日本レスリング界でアジア大会3連覇を果たしたのは、1954年マニラ大会から62年ジャカルタ大会のフリースタイル・ウエルター級で優勝した兼子隆がいる。今回4連覇を達成すれば、ともに史上初の快挙となる。

 しかし、外国のレスリング界に広げると、今大会の第1日に4連覇に挑む選手がおり、1日違いで「史上初」を逃す可能性がある。男子フリースタイル57kg級に出場するディルショド・マンスロフ(ウズベキスタン=30歳)で、吉田と同じく2002年釜山大会(韓国)、2006年ドーハ大会(カタール)、2010年広州大会(中国)と優勝を重ねている。

 2003・05年の世界選手権55kg級でも優勝。現在、全日本コーチを務めている田南部力コーチや松永共広コーチらの目標でもあった選手。出場した3度のオリンピックでは、いずれもメダルを逃しているという運のない選手だが、世界一に2度輝いた実力をもって、2016年リオデジャネイロ・オリンピックへ向けて現役を続行している。

 ロンドン・オリンピックのあと1年以上休養し、今年4月のアジア選手権61kg級に出場して10位。5月のアリ・アリエフ国際大会57kg級(ロシア)でも上位入賞ならなかったが、7月のクナエフ国際大会同級(カザフスタン)では2位となり、徐々に調子を上げている。

 アジア大会は最高に縁起のいい大会だけに、レスリング初日に快挙が生まれることもありうる。


 《アジア大会・大会日程》
9月27日(土) 男子フリースタイル57・70kg級/女子48・63kg級
    28日(日) 男子フリースタイル65・97kg級/女子55・75kg級
    29日(月) 男子フリースタイル61・74・86・125kg級
    30日(火) 男子グレコローマン59・71・80・98kg級
 10月1日(水) 男子グレコローマン66・75・85・130kg級