2014.09.13

【世界選手権第5日・特集(インタビュー)】女子63kg級・渡利璃穏(アイシン・エィ・ダブリュ)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

■渡利璃穏の2014年世界選手権成績
1回戦 ●[フォール、5:47=4-10]Battsetseg Soronzonbold(モンゴル)

 ――残念な結果に終わりましたが、試合を振り返ってください。

 渡利 最終的にフォールで情けない形になってしましました。これが試合になった時の自分の弱さだと思います。アジア大会までには気持ちを作り直します。

 ――最後の4点、後ろに転がされた技ですが、予測もしていない技でしたか?

 渡利 最初に2点を取られたのも同じような感じでした。足が止まらず、もっと左右に動けていれば、かからなかったと思う。こういう試合の流れ、相手の動きに対して、自分がもっと足を使って動かないといけないと感じました。

 ――去年の2位を相手に、タックル入って逆転し、終盤まではリードしていました。そのあたりの評価は?

 渡利 (相手は)両足タックルの受けが強いことは分かっていて、片足タックルで攻めようと考えていました。その中で、片足タックルでポイントが取れたことはよかった部分です。両足タックルでいい場面があったのに、取り切れなかったのは、前に投げられて負けた時ことがあって、「また投げられてしまうんじゃないかな」という気持ちがどこかにあったんだと思います。意識していなくとも、一瞬でも体の力が抜けたのが現実なので、最後まで取り切ること、力を出すこと、相手の返しに負けない気持ちなどが大切だと感じました。

 ――ラトビア、アメリカ、モンゴルが並ぶというすごい組み合わせでしたが、知った時の気持ちは?

 渡利 最初はすごいところを引いてしまったと思いました。でも、これからオリンピックを目指すうえでは、どの選手とも闘って勝たなければ意味がないと思い、悪いくじ運だと思わず、自分に挑戦できるいいくじ運だと思って、夜は寝ました。朝起きて、絶対に勝つ、と思って挑んだのですが…。

 ――初めての世界選手権の舞台は、雰囲気などを含めてどうでした?

 渡利 この国は応援が響く会場で、ウズベキスタンの選手が出てきた時にすごい歓声。地元の選手への応援がすごかったですね。ほかの大会では、ここまで歓声はなかった。(普通の)国際大会と世界選手権の違いを感じました。選手の気迫という面でも、試合でもアップ場でも全然違います。それらに負けないようにやってきましたけど、最後は相手の気持ちに自分の気持ちが負けていたのかな、と感じました。

 ――アジア大会ではモンゴルと再戦する可能性もあると思いますが…。

 渡利 次は絶対に勝ちます。

 ――時間は少ないですが、アジア大会へ向けての修正点は?

 渡利 今回、両足タックルに入る時、気持ちのどこかでびびって腰が引けたり、手の力が抜けたりしたことがあったので、入った時に最後まで取り切る、力を抜かない、気持ちでどんどん前に出ていく、足を止めないことです。