※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■清水博之の2014年世界選手権成績 3決戦 ●[Tフォール、2:35=0-8]Andrew Thomas Bisek(米国) 準決勝 ●[0-2]Neven Zugaj(クロアチア) 4回戦 ○[5B-5]Dmytro Pyshkov(ウクライナ) 3回戦 ○[4-1]Igor Besleaga(モルドバ) 2回戦 ○[4-2]Seref Tufenk(トルコ) 1回戦 BYE |
昨年の屈辱をはね返して5位入賞の清水博之(自衛隊)
清水 悔しいです、やっぱり…。
――敗因は?
清水 グラウンドの守りで、止まって守ってしまったことです。でも、去年の1回戦負けからすれば、3位決定戦に残れただけでも成長だと思います。
――3位決定戦の最初の警告でスタンドを選ぶことは決めていたのですか?
清水 そうです。自分はまだ力が足りないので、グラウンドで返すより、スタンドで相手をばてさせて、2ピリオド目に勝負をかけようと思っていました。
――闘ってみて、アメリカ選手の圧力や重さ、大きさは予想と違っていましたか?
清水 スタンドをやった限りは、体力負けはなかったです。グラウンドで守れなかったことが敗因です。
――最初にローリングをかけられて、それからバック投げというパターンは想定外ですか?
清水 そんなことはないです。自分が(クラッチを)ずらずのを遅らせてしまって、勢いでやられました。グラウンドをしっかり切っていれば、結果は変わっていたと思います。
――ずらすのが遅れてしまった理由は?
清水 上の方にクラッチ組まれたので、ずらすか、下がるか、前に出るか迷ってしまって…。
――グラウンドでは重さの違いが出ますか?
清水 相手の持ち上げる瞬発力は強いですね。自分か体重が軽いので、動いて切らないと上がってしまう。そういうところで自分の悪いところが出てしまいました。
――銅メダルを取っていれば、グレコローマンの日本選手のメダルでは一番重い選手でのメダル獲得だったんですが…。
清水 そうだったんですか。申し訳ないです。いけましたね。あのアメリカの選手は、アメリカでの団体戦(キキ・カップ)で勝ったことのある選手で、1勝1敗でした。取れるメダルを落としてしまいました。
――去年の66kg級に比べると、しっかり食べられて出られたと思いますが、いかがでしたか?
清水 1回戦から力が出た感じはあります。
――ベスト体重の階級ですね。
清水 オリンッピック目指すなら75kg級しかないので、75kg級で頑張ります。 あと少しでメダル獲得だった清水
清水 去年は相手に合わせてしまって、前に出るということができなかった。今年は前に出ることを意識し、ポイントを取られてもいいから前へ出て、ばててきたところを取り返せばいいと思って、思い切ってやった。それができたと思う。
――28歳になっても進歩を実感できるのは、どういうところに要因があるのでしょうか?
清水 マルチサポートの角一さんの指導のもとでウエートトレーニングを週2回ずつでもきちんとやって、筋力も上がっていると思う。そういうところで成長につながっていると思う。
――まだ伸びるという感覚は?
清水 まだあります。絶対にメダルを取ります。
――悔しさと充実の比率は?
清水 悔しいのは悔しいですが、去年は1回戦負け。今回はだれにも注目されていなかった中で、期待を裏切ることができてよかったと思います。
――オリンピックに向けての気持ちを。
清水 まず国内で優勝してから、来年の世界選手権でオリンピックの枠を取って、自分がオリンピックへ行きます。
――メダルを取っていれば、奥さん(旧姓坂本真喜子=女子48kg級)の実績に並んだんですが…。
清水 そうですね(苦笑)。まだまだです。
――奥さん、2個銅メダルですよね。
清水 (自分は)まだまだです(笑)。
――3位決定戦の前とかに連絡は?
清水 今回はしなかったです。
――どんな連絡しますか?
清水 負けた、と伝えます(笑)。
――二人三脚でやってきた、という思いは?
清水 ありますね。食事面でそうですが、階級を上げる時に話し合いをしました。支えてもらっています。
――階級を変えることについては、どんなアドバイスを?
清水 自分がそっち(上の階級)でやるんだったら、それでいい、と後押ししてくれました。
――今回はお子さんが小さいから応援には来なかったのですか?
清水 そうですね。リオには絶対に連れていきます。