※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■伊調馨の2014年世界選手権成績 決 勝 ○[Tフォール、5:49=10-0]Valeria Koblova(ロシア) 準決勝 ○[Tフォール、2:15=11-0]Anastasiya Huchok(ベラルーシ) 3回戦 ○[Tフォール、2:59=10-0]Allison Mackenzie Ragan(米国) 2回戦 ○[フォール、2:21=10-0]Asem Seydametova(ウズベキスタン) 1回戦 BYE |
(撮影=保高幸子) 12度目の世界一に輝いた伊調馨(ALSOK)
伊調 もうちょっと(できた)…。相手の方が攻めていた印象でしたし、相手が攻めてきた時にカウンターもいけたと思う。グラウンド技ももうちょっと時間をかけたらいけたと思うし、課題を克服して次は満足いく試合ができると信じて練習します。
――大会全体を振り返っていたかでしたでしょうか。
伊調 58kg級で世界選手権に出て、自分が取り切れる部分と甘いところ、いいところと悪いところを見つけて帰るのが試合の意味だと思う。もう一度試合を振り返り、整理して次につなげたい。
――58kg級の方が多くの技が出せそうだと話していましたが。
伊調 まだ物足りない。納得いく試合はないと思いますが、自分の理想のレスリングに近づくために練習を頑張りたいと思います。
――きょうの出来は点数をつけるとしたら何点ですか?
伊調 …。45点です(報道陣の「え?」という表情を見て苦笑い)。50点と言いたところですが、自分に厳しく45点です。
――パーフェクトに見えますが、何が不満なのでしょうか。
伊調 ポイントを取れたところはいいのですが、自分が勝っているところで相手が攻めてきた時、カウンターにいけるのに守ってしまっている自分がいます。グラウンドも、もう少ししつこく技を仕掛けることでポイントにつながると思う。もうちょっとの部分というか、あと少しで本当の自分の技になると思う。もう少し練習が必要だと思う。
――決勝のコブロワは「対戦できるのが楽しみ」と言っていた相手です。やってみていかがでしたか?
伊調 今日やった中では一番強かったと思います。力、バランス、スピード、レスリングのうまさ、すべてで。今日初めてやりましたが、2回、3回とやっていく中で、もっといいレスリングができると思うので、今日やれてよかったです。
――58kg級のよさは?
伊調 展開が多くてスピーディーですね。ちょっとしたことで2点、4点と連続技ができるのは面白いなと思いました。
――この階級が合っていますか?
伊調 合っているかどういかは分かりませんが、面白味はあると思います。 盤石と思えるレスリングだが、本人の採点は45点
伊調 やればやるほど難しい競技だと思います。ひとつの技を追求するにも、相手は何万人もいて、レスリングのスタイルも、かけてくる技も、守り方も違い、そこで壁にぶち当たる。どの相手と闘っても強い選手が本当に強い選手だと思う。やればやるほど難しくなると思います。ある日、突然分かるのかもしれないですけど。
――その日まで絶対に続ける、と。
伊調 そうですね。あきらめたら、そこで試合終了、ですね(笑)。
――世界選手権が終わって、次の目標は?
伊調 もう少し試合を積みたいです。今年は首のけがでいろんな試合を欠場しました。梨紗子(川井)も強くなっているし、世界ともやりたいし、国内でもいろんな選手とやりたい。理想のレスリングに近づきたいので、そのためには試合をこなしたい。試合をやれば課題が見つかります。
――リオデジャネイロへ向けて抱負を。
伊調 来年は、60kg級から落としてきたりする選手がいて、もっと厳しい闘いになる。世界がオリンピックを目指してくると思うので、その中で強い選手と闘って勝てるように頑張りたいと思います。