2014.09.11

【世界選手権第3日・特集(インタビュー)】女子55kg級・浜田千穂(日体大)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

■浜田千穂(日体大)の2014年世界選手権成績
決  勝 ○[4-3]Irina Ologonova(ロシア)
準決勝 ○[6-2]Helen Louise Maroulis(米国)
3回戦  ○[8-1]Giulia Oliveira(ブラジル)
2回戦  ○[4-2]Katarzyna Krawczyk(ポーランド)
1回戦   BYE

(撮影=保高幸子)

――3試合(注=正確には4試合)すべてで先取点を取られて、どうでしたか?

 浜田 点を取られても焦ることはなく、自分で絶対に取れるところを取りに行った。自分から攻めなければならないのは分かっていたけど、どうしても先に取りにいけなかった。次の大会の課題だと思います。

 ――スロースターター?

 浜田 自分ではそういう気持ちはないのですが、よく言われます(笑)。

 ――決勝ではチャレンジ(しようとするセコンドを)を制しましたが、気持ちの切り替えができていたからでしょうか。

 浜田 (チャレンジ失敗で)0-4となってしまうと、取り返しのつかない差になると思った。0-3でも取り返せないかな、という気持ちもあったくらい。自分で取りに行こうと思った。

 ――以前から「吉田沙保里か伊調馨に挑戦するためにも55kg級の世界タイトルを取りたい」と言っていましたが、取ってみた今の気持ちは?

 浜田 世界選手権はオリンピックの次に大きな大会で、自分の中のひとつの目標だった。その世界選手権で優勝したことは素直にうれしいけれど、内容と言えば、吉田さんは55kg級でいつも圧勝するほど強かった。このままでは、どちらの階級に行くにしてもオリンピックでメダルを取ることは難しくなってくると思う。今回、タックルで取れたところもあったので、そこを生かしつつ、最初から取りにいけるようにしたい。練習しかない。もっと練習し、自信をつけて自分から取りにいけうようにしたい。

 ――日体大の先輩方にはどう伝えますか?

 浜田 決勝の前にも、松本(慎吾)監督、、松本(隆太郎)先輩、湯元(健一)先輩などから連絡をもらい、「日体大の攻めるレスリングを忘れずに優勝して来い」「ちゃんと(ネット中継で)見ているから」「大丈夫、絶対に勝てるから」などと伝えられた。その言葉が、あそこで逆転できた要因だと思います。

 ――4月のアジア選手権は結果が悪く、いろいろ考えたと思いますが、それからの半年は?

 浜田 あの時は、こんなこところで負けていたら、世界選手権や、もっと大きなオリンピックでは勝てないと思った。気持ちを切り替えるのも難しかったのですが、先生やOBの方が「千穂は絶対にオリンピックで優勝することができるから、もっと頑張れ」と言ってくれ、そこから気持ちを入れ直して、世界学生選手権とゴールデンGP決勝大会に臨んでいい結果が出た。世界選手権はオリンピックへの通過点だと思っているので、優勝できてよかったと思う。