※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
金メダル獲得の浜田千穂(左=日体大)と登坂絵莉(至学館大)
登坂は1回戦でイタリア選手を破った後、2回戦で欧州選手権2位のナタリア・プルコフスカ(ウクライナ)を撃破。3回戦でアリッサ・ランプ(米国)、準決勝で2年連続アジア・ジュニア・チャンピオンのキム・ヒョンギョン(北朝鮮)を破って決勝へ進み、2012年ロンドン・オリンピック7位のイオナ・マトコウスカ(ポーランド)を10-2で破った。
浜田は初戦の2回戦からポーランド選手とブラジル選手に連勝し、準決勝で2012年世界選手権2位のヘレン・マロウリス(米国)を破って決勝へ進出。欧州選手権3位のイリナ・オロゴノワ(ロシア)にラスト40秒で逆転し4-3で勝利。4試合すべてで先制されながら、粘り強いレスリングを貫いた。
土性は1回戦でルーマニア選手に勝ち、2回戦で昨年の67kg級優勝のアリナ・マヒニア(ウクライナ)に4-2で勝利。3回戦で2012年世界選手権72kg級優勝のジェニー・フランソン(スウェーデン)を8-6で下したあと、準決勝で2012年ロンドン・オリンピック72kg級優勝のナタリア・ボロベワ(ロシア)を6-3で撃破。決勝は昨年67kg級5位のアリン・フォケン(ドイツ)とポイントの取り合いとなり、ラスト10数秒で痛恨の失点。4-5で敗れた。
60kg級の坂上嘉津季(至学館大)は初戦を勝ったものの、2回戦で昨年の世界ジュニア選手権59kg級優勝のチェレンチメド・スヘー(モンゴル)に黒星。敗者復活戦も2008年北京オリンピック代表のナタリア・ゴルツ(ロシア)に敗れ、上位進出ならなかった。
60kg級は1年間、環太平洋大に留学していたチェレンチメド・スヘー(モンゴル)が勝ち、昨年の世界ジュニア選手権59kg級に続く世界一を遂げた。
各選手の成績は下記の通り。
◎女子
【48kg級】登坂絵莉(至学館大) 優勝=32選手出場
決 勝 ○[10-2]Iwona Nina Matkowska(ポーランド)
《試合経過》第1ピリオド、登坂のタックルはかわされてしまい2失点。しかし2分42秒にタックルを決め、アンクルホールドで3-2。第2ピリオドは外無双で崩してバックを取り、アンクルホールドでポイントを加える。さらにタックルを2度決めて10-1とした。
準決勝 ○[4-0]Kim Hyon Gyong(北朝鮮)
《試合経過》第1ピリオドの中盤、登坂が片足タックルで2点を先行。第2ピリオド、相手のがぶりからの攻撃をうまくかわしてバックを取り、4-0へ。そのままのスコアで振り切った。
3回戦 ○[Tフォール、4:03=14-4]Alyssa Rae Nicole Lampe(米国)
《試合経過》第1ピリオドの25秒、一本背負いで登坂が4点を先制。タックルで2点を返されたものの、場外に出すタックルを含めて攻撃し9-2。終了間際にカウンターで2点を返された。第2ピリオド、タックルからアンクルホールドを続けざまに決め、14-4とした。
2回戦 ○[Tフォール、4:04=11-0]Nataliya Pulkovska(ウクライナ)
《試合経過》登坂は第1ピリオドの中盤にタックルでバックを
1回戦 ○[Tフォール、4:07=10-0]Silvia Felice(イタリア)
《試合経過》登坂が試合開始からタックルなどで攻め、第1ピリオドを8-0。第2ピリオドも早々にタックルを決め、10-0とした。
【55kg級】浜田千穂(日体大) 優勝=19選手出場
決 勝 ○[4-3]Irina Ologonova(ロシア)
《試合経過》浜田は第1ピリオド、“30秒ルール”で1点を失う。第2ピリオド、タックルを仕掛けたが、処理が悪く自分が一回転してしまって2失点。4分45秒、タックルで返して2-3。5分15秒、相手のタックルを返して貴重な2点を取り、逆転した。
準決勝 ○[6-2]Helen Louise Maroulis(米国)
《試合経過》第1ピリオド、場外へ出されて1点を取られた浜田。第2ピリオドは中盤に“30秒ルール”で1点を失いピンチ。ここで4点のタックルを決めて逆転。6-2のスコアで勝った。
3回戦 ○[8-1]Giulia Oliveira(ブラジル)
《試合経過》第1ピリオド、“30秒ルール”で1点を取られた浜田は、第2ピリオド、タックルを2度決めて4-1。終了間際にも4点タックルを仕掛ける攻撃力で快勝した。
2回戦 ○[4-2]Katarzyna Krawczyk(ポーランド)
《試合経過》浜 田は第1ピリオド、“30秒ルール”で1点を失う。第2ピリオド、片足タックルを粘られながらもしつこく攻め続けて2点を獲得。すぐに一本背負い気味に投 げられて2-2とされた。このままでビッグポイントで勝てるが、ラスト10数秒にタックルを決めて4-2とし、振り切った。
1回戦 BYE
【60kg級】坂上嘉津季(至学館大) 9位=16選手出場
敗復戦 ●[6-9]Natalia Golts(ロシア)
《試合経過》坂上は第1ピリオドで3度のテークダウンを奪われ0-6。第2ピリオド、場外で出されて1点を失った坂上は、攻めて意地を見せたが、最後にもタックルを決められ6-9とされた。
2回戦 ●[フォール、5:12=2-10]Tserenchimed Sukhee(モンゴル)
《試合経過》第1ピリオドの開始早々に4点タックルを決められた坂上。2分すぎに場外へ出して1点を返したものの、片足タックルを決められて1-6。第2ピリオド、場外へ出して1点を取ったが、4点のタックルを決められ、そのままフォール負け。
1回戦 ○[Tフォール、3:23=10-0]Jenna Rose Burkert(米国)
《試合経過》第1ピリオド開始早々、坂上がタックルで2点を先制し、回り込むなどしてポイントを重ねて8-0。第2ピリオドも早々にタックルを決め、10-0。
【69kg級】土性沙羅(至学館大) 2位=23選手出場
決 勝 ●[4-5]Aline Focken(ドイツ)
《試合経過》第1ピリオド、タックルで2点を取った土性は、第2ピリオド、“30秒ルール”で1点を失う。4分38秒、タックルで2点を取られたが、5分14秒に取り返して4-3。しかし5分47秒、痛恨のテークダウンを許してしまい、逆転されてしまった。
準決勝 ○[6-3]Natalia Vorobeva(ロシア)
《試合経過》第 1ピリオドはお互いに決め手がなく、土性が“30秒ルール”で1点を失う。第2ピリオド、相手に“30秒ルール”を与えた土性は、せめてくる相手をキャッ チしてエビに決めてニアフォールへ追い込み4-1と逆転。5分17秒、テークダウンを奪われて4-3とされながらも、最後は相手の突進をかわしてバックへ 回り、6-3とした。
3回戦 ○[8-5]Anna Jenny Fransson(スウェーデン)
《試合経過》第 1ピリオドの前半にテークダウンを奪われた土性は、終盤、消極性のコーションを取られれ0-3。第2ピリオド、タックルを返されて2点を失った土性は体を 入れ替えて2点、さらにタックルを決め、もう一度4点となるタックル。相手のチャレンジ失敗で8-5と逆転。最後に2度目の消極性の警告を取られたが、逃 げ切った。
2回戦 ○[7-4]Alina Makhynia(ウクライナ)
《試合経過》土性は“30秒ルール”による1点とタックルで第1ピリオドを3-0とリード。第2ピリオドの序盤に4点タックルで差を広げたが、足をかけられて倒され、フォールのピンチ。辛うじて逃げ、7-4のスコアで試合終了。
1回戦 ○[フォール、0:50=6-0]Adina Elena Popescu(ルーマニア)
《試合経過》第1ピリオドの19秒、土性はタックルで2点を獲得。一本背負い気味に投げ、そのままフォールした。