※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■高谷大地の2014年世界選手権成績 3回戦 ●[2-6]Azamat Nurykau(ベラルーシ) 2回戦 ○[11-6]Ikhtiyor Navruzov(ウズベキスタン) 1回戦 ○[フォール、2:15=8-0]Luis Isaias Portillo(エルサルバドル) |
(撮影=保高幸子) 地元選手を破ってガッツポーズの高谷大地(拓大)
高谷 初めての世界選手権で、これだけの中で3回も試合ができたことはとてもいい経験でした。地元の選手ともやって、地元びいき判定もある中ででも勝てたということは大きな成果です。最後に闘ったベラルーシは、すごいラフファイトの選手で、それが分かっていても勝てなかったことは反省材料です。ふだん言われていることで、直せた部分もあったけど、直せない部分もあって、いろんな勉強をしました。
――最後の試合は、相手は体にオイルを塗っていませんでしたか?
高谷 塗っていましたね。組み合った時に分かりました。まあ、それも世界での闘いではありえると聞いていました。世界ジュニア選手権でもありました。そういう相手にどうやって取るのか、分からなくなった。こうしたことも頭の中に入れて試合ができればいいな、と思います。
――ふだん言われていたことで、できなかったこととは?
高谷 タックルに入った瞬間にすべったこととか、それならとローシングル(低い片足タックル)に入ったら、いつものような処理ができずにグラウンドでねちねちとやることになったことなどです。
――3回戦の試合中に(2つ隣のマットでやっていた)兄の決勝進出が決まりましたが、目に入りましたか?
高谷 マットサイドで写真を撮っていた保高さん(本HPカメラマン)が「お兄ちゃん、勝ったよ」と声をかけてくれて知りました。その時は、「あ、そう」という感じ。兄のことより自分のことでした。試合が終わって、しばらくボーとしたあと、「あ、決勝へ行くのか」って驚きました(笑)。
――兄は最初の世界大会(ロンドン・オリンピック)では初戦敗退でした。それよりいい成績だったことになりますが。
高谷 2回勝っても、負けてしまったら一緒という気持ちです。自分は吉田沙保里さんのようにずっと勝ち続けるような選手ではない。泥くさくて、あの試合は負けて、あの試合は勝って、ということを繰り返してきた。この大会は負ける試合だったと考え、今後の糧としたい。次の試合から同じミスのないようにしたい。
――今回の経験で、自分の引き出しは増えたという感じですか?
高谷 そうですね。高谷ワールドというか、自分の世界に引き込まないと世界ではダメだなと思う。技術が駄目でも体力は世界基準だと勝手に思っているので、動きで惑わして、力では勝てなくても動きで疲れさせる、最初の3分で取られても、最後の3分で取り返すのが自分のレスリング。だれが何をやってくるのかを頭の隅に置きつつ、自分のレスリングをするだけです。
――兄の言う「高谷家のレスリング」ですか?
高谷 そうですね。兄は日本でメチャクチャ強くても、世界では1回戦負けということもある。泥くさくても、気持ちを折らずに勝つまでやり続けるレスリングですよ。
――今回の経験をどう生かしていきたい?
高谷 世界のトップクラスを見ることができ、感じることができたけど、ここに来るには日本で勝たないとならない。気持ちは世界に持ちつつも、日本での基準も大事にしたい。まず日本で勝つことを大事しようと思った。
――来年以降の目標は?
高谷 目指すこところはいつも1番。3番とかを目指していると、落ちていってしまう。どんな時でも優勝を目指す。もちろん、勝つときと負ける時がある。いつもいつも勝てる選手なんて、そういるもんじゃない。勝ち負けの中で、大事な時に勝てればいいな、と思います。
――今回の世界選手権が何らかのステップになったという感じでしょうか。
高谷 環境、雰囲気、アウェー感とかを感じることができ、周りに流されず、自分の世界に入って自分のレスリングが、次からできるというステップになったと思います。