2014.09.08

60年の歴史に幕を下ろした「FILA」…新名称は「UWW」

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 「FILAルール」などの名称で親しまれてきた国際レスリング連盟の略称「FILA」が52年の歴史に幕を下ろした。9月7日にウズベキスタン・タシュケントで行われたFILAの総会で、新しい名称を「United World Wrestling」とすることを決め、略称は「UWW」(口語では「ユー・ダブリュ・ダブリュ」、または「ワールド・レスリング」)。

 現在使われているフランス語の「Fédération Internationale des Luttes Associées」の略称の「FILA」では、英語が主流になっている現在、何の競技団体か示されていないことによる変更。1954年から使われてきた「FILA」の名称が消滅する。

 国際レスリング連盟は1912年のストックホルム・オリンピックを機に誕生し、当時の名称は「Union Internationale des Lutteurs」。翌年の総会でドイツ、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、ロシア、ハンガリー、オーストリア、ボヘミア、英国が加盟し、レスリングのみならずボクシングや重量あげなどを統括する団体として本格的にスタート。名称は「Union Internationale d’Athlétisme Lourd」となった。

 1920年のアントワープ・オリンピックの際、国際オリンピック委員会(IOC)の「1競技にひとつの連盟が好ましい」との勧告を受け、英語の「International Amateur Wrestling Federation」と改称し、「IAWF」となった。

 1952年ヘルシンキ・オリンピックの際の総会でロジャー・クーロン氏が会長となり、組織の改革を実行。1954年に東京で行われた世界選手権の際の総会で、名称を英語では「 International Federation of Amateur Wrestling」、フランス語では「Fédération Internationale de Lutte Amateur」と変え、略称はフランス語の頭文字をとって「FILA」となった。

 その後、プロアマ・オープン化の流れを受け、1992年のバルセロナ・オリンピックで行われた総会で「アマチュア」を削除することを決定。「Amateur」の頭文字の入る「FILA」の名称変更もありえたが、「Fédération Internationale des Luttes Associées」とすることで「FILA」の略称を残し、現在に至っている(英語の名称は「International Federation of Associated Wrestling Styles」)。

(注)本HPでは、当面、英語の直訳として「世界レスリング連合(UWW)」と表記しますが、日本協会理事会で別の日本語名称に決まった場合は、それに合わせます。