※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
苦しみながらも4連覇を達成した入江ゆき(九州共立大)
試合後の入江は「内容は全然ダメでした。どの試合も動けていませんでした」と喜びはなし。最近、体重がやや増えていて、減量の影響で動きが悪かったようだ。しかし、4連覇に言及されると「結果としては、うれしいです。勝ち続けることは難しいと思うので、その面ではよかったです」と、少し笑みがこぼれた。
ヤマ場は宮原との準決勝だった。この大会に関しては自身がデフェンディング・チャンピオンだが、宮原は昨年まで1階級上の選手であり、世界選手権にも出場。全日本チャンピオンにもなっている。2ヶ月前に負けていることもあり、「自分がチャレンジャーの気持ちでした」と言う。
2-4とリードされ、そのあと、なかなかポイントが動かない。宮原の逃げ切りか、と思われたラスト10秒くらいに入江が横からのタックル。宮原の左脚が入江の脚にからまり、もつれた状態のまま最後に入江のテークダウンが認められて2点が入った。 準決勝で宮原優と闘う入江(青)
「もっと自分から攻め、ポイントを取られないようにしたいです」と反省はあるものの、勝利への執念を行動へ移せたのは見事と言うべき粘りだった。しかし、「ばてていたので、もっと体力をつけないと、次はこうはいきません」と、厳しい課題を挙げた。
先月のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)では、2012年ロンドン・オリンピック2位で、現在の国際レスリング連盟(FILA)ランキング1位のマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)と対戦。1-12のテクニカルフォールで敗れた。
それでも、「ポイントを取られ、吹っ飛ばされもしましたが、超えられない相手ではないとも思いました」と振り返り、今後に向けての手ごたえは感じた。足りないところは、やはり体力。パワー、スタミナをつけて次の対戦を迎えたいところだが、当面の目標は国内のライバルである登坂絵莉(至学館大)。
「全日本選手権では勝てるよう、頑張りたいと思います」と、学生V4をステップに、打倒登坂へ向けての闘いへ向かう。