※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
世界カデット選手権5位に続き、全国優勝を成し遂げた藤井達哉(滋賀・栗東)
藤井は「JOC杯で勝ったことはあるけど、高校生の大会では初めての優勝。うれしいです」と第一声。JOC杯の優勝もうれしいが、“高校生の全国大会”の優勝は格別の様子だ。
昨年の国体(グレコローマン84kg級)は決勝で武田光司(埼玉・埼玉栄=現専大)に敗れ、今年3月の全国高校選抜大会も決勝に進みながら山崎弥十朗(埼玉・埼玉栄)に屈して2位。8月のインターハイは準決勝で地元の内藤由良(神奈川・磯子工)に敗れて3位。メダルは手にしても、金色のメダルには手が届かなかった。「グレコローマンの方が得意なので、今度こそ、という気持ちでした」と言う。
グレコローマンの強豪というと、ローリングを中心としたグラウンド技が強いというイメージがあるが、決勝での首投げを見ても分かる通り、藤井はスタンド技の強さを武器に優勝を手にした。中学時代まではレスリングと柔道を並行してやっており、そうしたバックボーンから投げ技には自信があるようだ。 開始早々に決まった首投げ
2年生にして全国大会を制する力を見せたことで、今後もグレコローマンの強さを磨いて大きく飛躍してほしい人材だが、「フリースタイルでも優勝できるようにしたい」ときっぱり。今月下旬のユース・オリンピック(中国・南京)に出場する山崎に負けていることは悔しいらしく、「フリースタイルでも全国優勝」が今後の目標だ。
タックルは得意ではないので、投げ技を中心としたフリースタイルになるようだが、「高校を卒業するまでは、両スタイルで頑張ります」と力をこめた。