2014.08.20

【全国高校生グレコローマン選手権・特集】必殺の首投げ2発で優勝を引き寄せる…84kg級・藤井達哉(滋賀・栗東)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 全国高校生グレコローマン選手権の84kg級は、JOC杯カデット85kg級の2年連続王者で今年は世界カデット選手権で5位に入賞した藤井達哉(滋賀・栗東2年)が優勝。昨年の北岡佑介(滋賀・日野)に続いての同県からの王者となった。決勝は首投げを2度決めるなど、スタンド戦の強さを発揮しての第1ピリオドのテクニカルフォール勝ちだった。

 藤井は「JOC杯で勝ったことはあるけど、高校生の大会では初めての優勝。うれしいです」と第一声。JOC杯の優勝もうれしいが、“高校生の全国大会”の優勝は格別の様子だ。

 昨年の国体(グレコローマン84kg級)は決勝で武田光司(埼玉・埼玉栄=現専大)に敗れ、今年3月の全国高校選抜大会も決勝に進みながら山崎弥十朗(埼玉・埼玉栄)に屈して2位。8月のインターハイは準決勝で地元の内藤由良(神奈川・磯子工)に敗れて3位。メダルは手にしても、金色のメダルには手が届かなかった。「グレコローマンの方が得意なので、今度こそ、という気持ちでした」と言う。

 グレコローマンの強豪というと、ローリングを中心としたグラウンド技が強いというイメージがあるが、決勝での首投げを見ても分かる通り、藤井はスタンド技の強さを武器に優勝を手にした。中学時代まではレスリングと柔道を並行してやっており、そうしたバックボーンから投げ技には自信があるようだ。

 ただ、そのことを知られて研究されてきたので、準決勝までは不発ということも多かった。決勝も、かけた直後に体勢を崩してしまいフォールに持っていけない詰めの甘さがあった。研究されても決められる展開と、投げた後の処理が「今後の課題です」と言う。

 2年生にして全国大会を制する力を見せたことで、今後もグレコローマンの強さを磨いて大きく飛躍してほしい人材だが、「フリースタイルでも優勝できるようにしたい」ときっぱり。今月下旬のユース・オリンピック(中国・南京)に出場する山崎に負けていることは悔しいらしく、「フリースタイルでも全国優勝」が今後の目標だ。

 タックルは得意ではないので、投げ技を中心としたフリースタイルになるようだが、「高校を卒業するまでは、両スタイルで頑張ります」と力をこめた。