※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、撮影=保高幸子) 団体優勝、団体MVP、個人優勝を手に入れた石黒峻士(埼玉・花咲徳栄)
石黒は個人戦6試合と学校対抗戦6試合、合わせて全12試合に出場して全勝の成績。2年生ながら学校対抗戦のMVPに選出された。
石黒はキッズクラブの強豪、ゴールドキッズ(東京)の出身。強さを求めて花咲徳栄に進学した。「優勝するために埼玉まで来たのに、去年出られなかったのが悔しかった。それをばねにして練習してきたので、今年は優勝できてよかったです」と笑顔で話した。
男子96kg級は全国高校選抜大会王者の坂田龍星(埼玉・埼玉栄)が出場しておらず、選抜王者不在の階級だった。3年生の坂田の最後のインターハイ出場を阻んだのが石黒だった。インターハイ本戦と同じくらい厳しい予選を勝ち抜いてきた石黒は、「県予選で勝った坂田さんに、優勝の報告ができてよかった」と、坂田を思いやった。 決勝で勝ち、満面の笑み
12戦12勝の成績を振り返り、「脚は最後まで大丈夫だったけれど、腕がパンパンに張っていた。96kg級の選手は、どんな選手でも力がありましたから」と苦笑。今後も引き続き96kg級に出場するつもりで、「来年の全国高校選抜大会も優勝します」と”夏春連覇”を視野にいれた。