2014.07.12

世界学生選手権の男子フリースタイル・チームが帰国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 ハンガリー・ペーチで行われている世界学生選手権で金メダルを獲得した57kg級の森下史崇(ぼてぢゅう&Bum’s)ら男子フリースタイル・チームが7月11日、成田空港着のオーストリア航空で帰国した。

 昨年のユニバーシアードを含めると、男子フリースタイルでの金メダル獲得は2010年以来、2大会ぶり。小幡邦彦コーチ(山梨学院大職)は「森下は3試合とも厳しい闘いを勝ち抜いた。大きな自信になると思う」と評価。これまでにも数多くの国際大会をこなして上位入賞を積み重ねてきた選手だけに、「この優勝でいっそう飛躍すると思う」と期待した。

 大会は、昨年のユニバーシアードや世界ジュニア選手権の代表もいて、上位に残る選手はシニアのトップででも通用する選手が多かったという。森下以外の選手も踏ん張ったが、「リードしていながら終盤に逆転負けというのが多かった」そうだ。平均して“スタミナがない”と言われる外国選手だが、そんな選手ばかりではない現実を「選手は知ってくれたと思う」と振り返った。

 「いい試合をしても、勝てなければ意味がない。次は善戦で終わらないよう頑張ってほしい」と話した。

 森下は昨年11月のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)以来、国際大会2度目の優勝。しかし、第一声は「結果は優勝だったが、内容的には反省点が多い」と反省。失点が多かったことと、会場が暑く、自分も相手もばてばてのドロ試合になってしまったことが、満足いかなかったようだ。

 決勝は以前闘ったことのあるロシア選手が相手で、手の内が分かってたこともあって5-0で勝ったが、「アタックが少なかったので、満足できない」と、欲の深いところを見せた。

 それでも、「優勝」という結果に悪い気持ちはしない。先月の明治杯全日本選抜選手権で優勝を逃し、プレーオフでも負けたことで落ち込んだ部分もあったそうだが、「これで、少しは持ち直せましたね」とにっこり。

 昨年11月に国際大会初優勝を飾るまでは、8大会に出場して、2位が1回、3位が5回という成績(団体戦の個人順位を含む)。“銀&銅メダル・コレクター”と言われかねない状況だった。ここにきて「優勝」が続き、壁を乗り越えた感がある。「今後も優勝できるようにしたい」と宣言し、今回見つかった課題を8月上旬に予定されているポーランド遠征で試し、9月のアジア大会(韓国・仁川)に挑む。