※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)
茨城県知事賞の副賞をバックに笑顔の須崎優衣(JOCアカデミー)
内容はほぼ完ぺきだったが、須崎は「準決勝でローリングを乗られて失点してしまいました。いつも試合は伸び伸びとやっているのに、今回の試合は『3連覇したい』という気持ちが強くて、プレッシャーを自分でかけて動けなかったです」と苦笑い。
エリート集団のJOCアカデミーでも、これまで達成されなかった3連覇の大記録に対し、「先輩たちができなかった分、自分が初めてやってみたいと思った」と、記録にどん欲に挑んだ結果だった。
オリンピック競技からの除外問題に揺れた昨年とは一転し、2020年東京オリンピック誘致が決まっての大会。地元開催に向け、日本協会は、いち早く東京オリンピック強化プランの一環で3スタイルの「ターゲット選手」を発表した。主に高校生や大学生がメインで選出されていたが、そこに中学瀬で唯一選出されたのが須崎だった。
3連覇を達成し、吉村祥子コーチからの祝福を受ける
これまで、この大会と秋の全国中学選抜選手権で負けなしの須崎は、いよいよ2年前に加賀田葵夏が成し遂げた“中学6冠”に挑戦する権利を得た。その前にもビッグイベントが待っている。須崎は、「7月に世界カデット(選手権=スロバキア)があるので、今回の反省を生かし、今後の練習を頑張りたい」と、中学6冠の前に国際舞台でも活躍することを誓った。