2014.05.29

【東日本学生リーグ戦・特集】国士舘大が17年ぶりに日体大に勝利! 復活の序章となるか

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 東日本学生リーグ戦の決勝リーグ。前日の早大戦に快勝して勢いをつけた日体大を、国士舘大が4-3で撃破。勝ち数の関係で優勝は厳しい状況だが、日体大の優勝の可能性を大きく後退させる状況をつくり、最近は“おとなしかった”国士舘大のイメージを一新させた。

 日体大は57kg級の新人、樋口黎(茨城・霞ヶ浦高室卒)を61kg級で起用し、国士舘大の軽量級の要の阿部宏隆にぶつける作戦をとった。国士舘大の和田貴広監督は「意外だった」と話し、阿部に樋口対策はさずけていなかったもよう。そのせいもあって黒星を喫し、57kg級から2連敗と最悪のスタート。

 日体大は早大戦でも軽量級から4連勝して一気に試合を決めていただけに、この時点でその再現も予想された流れとなった。しかし65kg級の4年生、金城希龍が川瀬克祥を6-6ながら内容差で破り、貴重な白星。流れを変えた。

 和田監督は「金城の勝利が何よりも価値がありました」と、この1勝を大きく評価する。74kg級には嶋田大育主将が控え、125kg級も国士舘大の優勢は明白だったので、重量級勝負に持ち込めば勝ち目はあった。軽中量級で勝負を決められたら終わり。70kg級は落としただけに、結果として金城の勝利が値千金となった。

 もちろん、86kg級の新人、奥井眞生(和歌山・和歌山工高卒)の踏ん張りも見逃せない。前日の拓大戦でもチームの勝利を決める貴重な1勝をマーク。「1年生だというのに、よくやってくれた」とねぎらった。

 この日は前の試合で亀山晃寛(山梨学院大)に敗れていたが、「思い切りいけばいい。勝負にいって負けてのなら、それでいいんだ」と言って気持ちを切り替えさせたという。「きつい闘いが続いているけど、強気で闘ってくれる」と、その闘争心を評価し、勝利の立役者に挙げた。

 「リーグ戦で日体大に勝ったのは、いつ以来でしょうか?」と和田監督。1970年代中盤から90年中盤にかけての日体大の黄金時代、日体大のが城に迫る一番手が国士舘大だったが、その後は差をつけられていた。

 国士大が勝ったのは1997年大会以来で17年ぶり。最近6年間はブロックが違うなどして対戦がなく、11大会ぶりの勝利となる。その前の1992年大会での勝利の時は、和田監督が3年生の時で62kg級のレギュラーとして出場。6戦6勝をマークしていた。

 「そういえば自分が学生の時に勝っています。日大に負けていたので、優勝は日体大にもっていかれましたが…」。自身が経験した打倒日体大がすぐに思い出せないほど、“遠い昔”のことだった。

 優勝はなくとも、「最後までベストを尽くして闘います」と和田監督。国士舘大のコーチに戻ってきてから7年目。やっと土壌が肥え、草花が力強く育ちつつある。この1勝は、国士舘大復活へ向けての大きな1勝となることだろう。
 


■東日本学生リーグ戦での最近30年間の日体大-国士舘大成績

※—は対戦なし

2013年 日体大     国士舘大
2012年 日体大     国士舘大
2011年 日体大     国士舘大
2010年 日体大     国士舘大
2009年 日体大     国士舘大
2008年 日体大     国士舘大
2007年 日体大 6-1 国士舘大
2006年 日体大 6-1 国士舘大
2005年 日体大 6-1 国士舘大
2004年 日体大 5-2 国士舘大
2003年 日体大 7-0 国士舘大
2002年 日体大 6-1 国士舘大
2001年 日体大 7-1 国士舘大
2000年 日体大 5-3 国士舘大
1999年 日体大 4-4 国士舘大
1998年 日体大 5-3 国士舘大
1997年 日体大 4-4 国士舘大
1996年 日体大 6-3 国士舘大
1995年 日体大 5-4 国士舘大
1994年 日体大 6-3 国士舘大
1993年 日体大 6-3 国士舘大
1992年 日体大 4-5 国士舘大
1991年 日体大 7-2 国士舘大
1990年 日体大 8-1 国士舘大
1989年 日体大 6-3 国士舘大
1988年 日体大     国士舘大
1987年 日体大 6-3 国士舘大
1986年 日体大     国士舘大
1985年 日体大 7-2 国士舘大