2014.04.30

【JOC杯ジュニア・特集】スーパールーキー5選手が集まった激戦区を制す…男子フリースタイル74kg級・浅井翼(拓大)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 “超高校級”と言われ、素晴らしい実績を残して大学へ進んで強豪5選手が集まったJOC杯ジュニアの男子フリースタイル74kg級は、昨年3位だった浅井翼(京都・京都八幡高~拓大)が、決勝で木下貴輪(鹿児島・鹿屋中央高~山梨学院大)をテクニカルフォールで下し、5試合を勝ち抜いて大学でのデビュー戦を飾った。

 浅井は「やっと終わった、という気持ちです」と第一声。初戦の松尾侑亮(専大)戦は動きが悪く、先行きの不安を感じさせるスタートだっただけに、その後を立ち直っての優勝にホッとした表情だ。西口茂樹部長(日本協会男子グレコローマン強化委員長)や高谷惣亮コーチの指導を守って闘えば、「絶対に優勝できると信じていました」と言う。

 初戦の苦戦は、タックルに行く気持ちが強すぎ、構えが下がったりしたことが原因と分析する。高谷コーチから「焦らずに自分のレスリングをやっていれば勝てる」とアドバイスされ、修正することができた。

 とはいえ、タックルが研究されていることは感じている。指導陣からは「崩しやがぶりを使って闘えば、相手は体が浮いてくる。そこを狙え」と教えられているそうで、2試合目以降はその教えがしっかりできたようだ。

 決勝の相手の木下は、高校時代は66kg級で高校三冠王(全国高校選抜大会、インターハイ、国体)を取った選手。下から上がってきた選手には、特に負けたくないと考えるのが普通だと思うが、「そんな気持ちはなかったです。そんなプライド的な気持ちは持っていません。だれが相手でも自分のレスリングを突き通すだけです」と話し、試合は自分との闘いだということを強調した。

 一戦一戦が勝負であり、周囲が「5強がそろった階級」と注目するほど、他選手の存在は意識にないようだが、「大学生活をいいスタートで飾れたことはよかったです」と笑みが浮かんだ。「この勢いで、リーグ戦(5月27~29日、東京・駒沢体育館)につなげたい」と、次の目標をチームの優勝に定め、ルーキーイヤーをひた走る!