※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子)
120kg級を制した山本泰輝(静岡・飛龍)
昨年のこの大会やインターハイは表彰台に登れなかったが、国体優勝が飛躍のきっかけになった。「1度、全国舞台(国体)で優勝してしまったので、ここからは全部優勝しなければダメだと思っていた」と、王者の自覚と誇りを胸に闘った。
最大の武器はタックル。「スピードに自信があるので、タックルで攻めている」と、120kg級とは思えぬほど俊敏な動きでタックルを展開し、そこからのグラウンド技もさえた。体重は105kgで、同級としては小柄だが、「今後、もう少し体を大きくしたい」と言う。夏までにどれだけの体を作り上げるか楽しみだ
重量級とは思えないスピードでタックルを決める
飛龍は昨年のインターハイでも団体3位に入り、今春こそ決勝の舞台を見据えていた。準決勝の霞ヶ浦(茨城)戦で、7番手の山本に勝負が回る前に4敗目を喫してしまい、決勝の望みが絶たれた中でマットに上がった。「3-3で回してほしかった…。3-3で来たら絶対勝たなくちゃいけないし」と唇をかみしめた。その悔しさを個人戦でぶつけて闘った。
昨年は、一文字違いの山本泰丈の優勝だった120kg級。今季は“飛龍”山本の時代を築けるか!?