※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=保高幸子)
帰国した日本チーム
前年の世界選手権での国別対抗得点の勝ち点の合計で上位10ヶ国が参加できる大会だが、キューバが出場を辞退し、日本が繰り上げ出場となった。一番手と若手の混合チームで臨んだ日本は予選リーグで1勝をあげ、8位と健闘。65kg級に出場した高谷大地(拓大)が2つのテクニカルフォールと1つのフォールを含む5戦全勝で個人成績1位となった。
第1、2試合目に勝った57kg級の森下史崇(日体大)は、2試合目で古傷を痛め、以後は棄権。61kg級川瀬克祥(日体大)は2回戦で今年ヤシャ・ドク国際大会(トルコ)で2位だったエンカサイカン・ナヤムオチル(モンゴル)に最後まで互角の闘いをしたが、そり投げを受けて脳しんとうを起こし惜敗。その後経過を見て問題がないと判断し、本人の希望もありウクライナ戦に出場したが、審判の指示でロシア戦からは棄権することにしたという。
松永共広監督(日本協会専任コーチ)は解散式で「トルコとイランでの遠征に参加した選手は、そこでの課題を克服してきたかどうかで結果が違った。今年の12月からオリンピックの予選が始まると思ってほしい。国内で勝って世界選手権で上位に入らなければ出場権は取れない。しっかり計画を立てて練習に臨んでほしい」と話した。
5戦全勝をマークした高谷大地
■65kg級・高谷大地(拓大)「イラン、トルコの遠征で外国人のラフなレスリングを経験したので、その対策をしたのですが、それ以外はいつもどおり自分のレスリングをしました。タックルで取る自信はあったので、止まらず動き続け、練習通りやったら勝っていた、という感じです。2月の遠征で失点が多かった反省点を直すことができたのがよかったです。ただ、日本で勝たないと世界に行けないですし、夢は兄と2人揃ってリオデジャネイロ・オリンピックで金メダルを取ることなので、満足していません。JOC杯、全日本選抜選手権、世界ジュニア選手権、世界選手権と続きます。勝っていけるようにベストを尽くして闘っていきます」