2014.03.17

【女子ワールドカップ・特集】監督・決勝戦出場選手コメント

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(取材=増渕由気子、小林岳人)


■栄和人監督「僕が監督になってから(決勝が)全勝で優勝は初めて。みんなが『沙保里さん、栄勝さんのために』と思って、栄勝さんの死を乗り越えて勝ってくれてよかった。伊調が首を痛めて出場できない中、川井梨紗子も坂上嘉津季も素晴らしい試合をした。強さは関係なしに内容で言えば、伊調を越える試合だったと思う。栄勝さんの死があったことによってみんな絶対に勝たなきゃいけないと思いでひとつになれた。土性がオリンピック・チャンピオン、69kg級では世界一と思われる選手勝ったのはすごいと思います。最初負けていた時は「どうしょう」と思ったけど…」


 ■48kg級・登坂絵莉(至学館大)「優勝できてホッとしています。(キャプテンに任命されて)今までオリンピックに何回も出てきた選手がいる中でやれたことはよかったです。自分が勝つことでチームに貢献できて良かった。緊張からくるものだったのかもしれませんが、アップ中に腹痛に襲われた。試合中は感じませんでした。熱は朝計った時は下がっていました。吉田選手とは相手の選手についての他に、お父さん(栄勝さん)がついてくれているという話もしました。


 ■53kg級・吉田沙保里(ALSOK)「日本チームが父のために、私のために頑張ってくれ、それが全勝優勝につながりました。みなさんに感謝したい。今だから言えるけど、3月に入って左ひざの内側のじん帯を痛めていて、スパーリングができなかった。回復してきたころにヘルペスになり、感染するので打ち込みしかできなかった。そのあとに父が亡くなり、4日間練習できなかった。計量のあと、練習したら喉から血がでるほど苦しかったけど、1試合、1試合、集中してやれば大丈夫だと思った。試合は、父が一緒に闘ってくれたから動けたかなと思う。もっと練習して、リオデジャネイロ・オリンピックで4連覇できるように、父のためにも頑張りたい」


■55kg級・村田夏南子(日大)「優勝できて良かったです。団体戦は個人戦と違うものがあって、闘っている時は必死でした。アンクルホールドを決めた時は、ここで離さずにテクニカルフォールしようと思いました。今回のワールドカップはみんなで頑張ろうという雰囲気がありました」


 ■58kg級・川井梨紗子(至学館大)「自分が試合に出場すると分かったのは合宿の途中でした。栄監督に『日本の58kg級は伊調だけでないところを見せてこい』と言われました。全日本選手権の後に練習してきたことが出せたので、成長したかなと思います。登坂選手と同い年の土性選手に置いていかれているかな、という気持ちがありました。58kg級が自分の動きもしやすいです。次の目標は、4月のジュニアクイーンズカップに勝って世界ジュニアの代表を取ることです」


 ■60kg級・坂上嘉津季(至学館大)「今日の相手は以前に国際大会で競り合って負けた相手でした。吉田選手に『死ぬ気で勝ってこい』と言われて気合いが入りました。後半にはタックルを決めて、吉田(栄勝)先生に教わったことができたと思います。決勝で勝つことができて自信がつきました」


 ■63kg級・渡利璃穏(至学館大)「今日は不戦勝で、試合がなかったのですが、マットに上がるまで不戦勝ということも知りませんでした。きのうはアメリカ戦で負けてしまったので、中国戦では前にでてタックルを狙って勝つことができた。今日も中国戦と同じように自分から仕掛けていこうとおもったのですが、不戦勝ということで…。みんなと同じ流れで勝ちたいと思っていたので、強いメンバーと一緒にあの舞台にいれたことはよかったとおもう。今回はちょっと悔しさが残ります。今後は6月の全日本選抜選手権で勝って、世界選手権で優勝できるように鍛えていきたいと思います」


 ■69kg級・土性沙羅(至学館大)「(ロンドン・オリンピック金メダリストに勝って)吉田(栄勝)先生に教えてもらったタックルで攻めて勝てたので、うれしいです。第1ピリオドのタックルは全部切られてしまいましたが、(63kg級までの)みんなが頑張っていたので、自分だけ負けるわけにはいかなかった。第1ピリオドで相手がバテいたので、攻めたらいけると思った。どうやってタックルに入ったかは覚えていないけど、思いっきりいかないとと思って倒しました。表彰式は吉田先生と一緒に表彰台にあがってうれしかった。オリンピック・チャンピオンに勝ったところを見せられなくて残念」


■75kg級・浜口京子(ジャパンビバレッジ)「ロンドン・オリンピック以来の日本代表としての試合をさせてもらった。みんなと金メダルを獲得できてうれしいし、ホッとしている。(元世界2位に勝てて)きっと、吉田(栄勝)コーチもしっかり見ていてくれて、一緒に闘ってくれたと思う。天井のあたりに吉田コーチがいたと思ったので、試合が終わってから、天井に向かって勝利報告をしました。初日は負けていたので、今日は自分ができることを精いっぱいやってベストを尽くそうとおもった。決勝では、みんなの勢いが自分の勢いになって一緒に闘えました。今回の大会で、あらためて自分のいる位置がわかったので、この大会にチャレンジしてよかったと思う」